球道雑記BACK NUMBER
ロッテ有吉優樹の探究心が濃すぎる。
トレイルラン、地球の自転を勉強。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2019/02/17 09:00
2年目の昨季、有吉は29試合登板で6勝5敗、防御率3.74。2019年は先発として飛躍できるか。
トレーナーと40日間の下宿生活。
それでも昨年の結果、内容に決して満足しているわけではない。そのことはこのオフの過ごし方からも充分感じ取れた。
秋季キャンプが終わった11月下旬から有吉は、福岡県内にある片井ジム・田代義人トレーナーの自宅で40日間の下宿生活を行い、東北楽天・古川侑利とともに自主トレを行なった。
休みらしい休みは帰省のため年末年始に1週間だけと言うからその決意のほどが窺い知れる。
「(福岡には)1年間体を使って、どうなったかの確認をしています。今はこうなっているから、こうした方が良いとか。2月1日からの実戦を意識するというよりも、理想はいつでも投げられる体にしておく感じです。体を整えてトレーニングをして、対バッターで投げた時にどうなるかを想定して毎年仕上げています」
足裏の感覚を意識して鍛えた。
年始の始動は1月5日からで、自主トレ先では農道や山道と言った起伏のあるコースを歩いたり走ったりしながら、足裏の感覚を意識して体を鍛えた。
「普段、スパイクとかを履いている関係で足裏が使えていない感じがしていたんですね。なので、裸足に近い感じで農道などをトレイルランをしましたし、(地面からの跳ね返りなどを意識する意味で)やっぱり足の裏が大切だとトレーナーさんからも言われていたので、今年はそれをテーマに取り入れてみました。
トレーナーさん自身も僕らが自主トレに行く前に、実際自分でやってみて、効果があると調べてくれたりもしてくれたので、こちらとしても凄く有難かったですね」
有吉が、田代トレーナーとタッグを組むようになったのは今から6年前のことだ。
社会人野球の九州三菱自動車に在籍していた当時からの付き合いというから、有吉の体を知り尽くしているのは間違いない。そしてここまでの彼の成長も田代の存在なしではあり得ない。2人は切っても切り離せない関係とも言える。
「毎年、1年間(田代さんが作る)メニューをやってみて、それができたら次の年はアップデートするような形でやっています。最初の頃にやっていたメニューと今を比べると全然違うと言いますか、もちろんベースはあるんですけど、新しいことをどんどん取り入れて、という感じで毎年過ごしていますね」