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巨人キャンプにもう丸佳浩効果!
原監督の狙い、坂本勇人の変化とは。
posted2019/02/04 17:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
進歩に対して、貪欲であること。
それは名選手の1つの条件だと思う。
巨人やニューヨーク・ヤンキースで活躍した松井秀喜さんは、プレーヤーとしての成長についてこんな風に説明していた。
「課題があって、その課題を克服するために階段を一歩、一歩、登っていく。ようやく頂上にたどり着いたと思ったら、またその先には階段がある。プレーヤーとして高みを目指すってそういうことだと思う。決して終わりはない。終点はないということです」
今年の巨人キャンプ。巨人ナインが、自分たちの成長のためにその一挙手一投足に視線を送る選手がいる。
広島からフリーエージェントで加入してきた丸佳浩外野手、背番号8番だ。
丸の練習を巨人ナインが注視。
キャンプ初日のティー打撃では左右片手づつ、逆手で握ってなど6種類の打ち方で60スイング。その後は屋外のフリー打撃で68スイングして24本の安打性の打球を飛ばすと、仕上げは木の花ドームで約1時間のマシン打撃を行った。
「ユニフォームを着てやるのは久しぶりなので抑えを利かせてやりました」
こう語る本人だが、それでも丸がティー打撃を始めると食い入るように巨人ナインが見つめ、フリー打撃でもタイミングの取り方や、足の使い方などを選手が興味深そうに観察している姿が見られた。
1月の自主トレ期間にはケージで並んで打っていたベテランの阿部慎之助捕手が、右足のタイミングの取り方を直接、質問するなど、丸の加入により巨人ナインが何かを吸収しようとする姿があちこちから見える。
3割6厘。
39本塁打で97打点。
昨シーズンにたたき出したこの数字とは別に、原辰徳監督がフリーエージェントでこの一流を獲得した、もう1つの理由がそこにはある。