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高卒3年目DeNA京山将弥の高い目標。
ローテ定着、2桁勝利へ越えたい壁。
posted2019/02/06 08:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
2月初頭、最高気温が24度に達し初夏を思わせた沖縄県宜野湾市。
この地でキャンプを張る横浜DeNAベイスターズの京山将弥は、まぶしい日差しのなか額に汗を浮かべ、充実感をあらわにする。
「一軍のキャンプから始められるのは嬉しいですね。状態はまだまだですけど、しっかりとこのキャンプで仕上げていきたい」
高卒3年目、初の一軍キャンプスタート。はやる気持ちを抑えつつ話す冷静な20歳は、行き交う多くのファンから注目を浴びていた。
昨シーズン、京山はオープン戦で好投すると、先発陣の出遅れもあり、4月1日の開幕カード3戦目に大抜擢され、5回1失点でプロ初勝利を挙げた。
「1年目から一軍で投げる準備をしてきましたが、2年目でああいう形で起用してもらって、正直、自分なんかでいいのかなと思ったんですよ。だから何とか結果を出さないといけないと思って」
バテていないと思っても球威が。
その後、京山は破竹の3連勝を挙げ、10代にしてDeNAに現れた新星として期待を一身に浴びる存在になった。
「一軍のバッターを相手に自分の力を試せたのは初めての経験だったので印象深かったですね。初勝利はすごく嬉しかったのですが、逆に大事なところで勝てなかった悔しさもあります」
5回の壁――。そう易々と勝ちつづけられる世界ではない。3連勝後はあまり勝ち星に恵まれなかった。京山は序盤、相手打線を抑えても、2巡目3巡目になるとつかまることが多かった。武器となっていたカットボールを見極められ、後手に回る展開が目立っていた。
「僕の基本はストレートで、押している感覚はあったんです。ただ、バテていないと思っても、ストレートの球威がなくなり、変化球に行ってそれが決まらないといったことが多くありました。それが原因で勝ち星があまりつかなかったんだと思います」