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長谷部誠が語るカズへの憧憬。
「自分もいつまでもプレーしたい」
posted2019/02/04 08:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Ryu Voelkel
1月31日発売のNumber971号で、長谷部誠のインタビュー取材をしました。
個人的には以前から「ハセ」の印象は変わっていません。ここ数年は“心を整えたり”、日本代表のキャプテンを務めたりしたこともあり、落ち着きある紳士のようなイメージを周囲に与えていたかもしれません。
いや、ある側面においてはその通りなのですが、普段の所作と本質的に抱いている感情は、また別物なのではないでしょうか。
最近までの彼は、対外的には敢えて硬い殻をまとっていたようにも思います。それは、当然かもしれません。特に代表キャプテンとしての振る舞いは個人に限らずチーム全体に波及します。
その言動が時にチームを結束させ、時に邪推されることもあるのですから、彼自身も責任の重さを深く認識していたに違いありません。
クスッと笑ってしまう逸話。
僕は約1年前にドイツへ渡ったため、ハセが2008年の1月に浦和レッズからドイツのヴォルフスブルクへ移籍して以降は、たまにドイツを訪れてスポット的に取材する以外はテレビで彼の動向を追うしかありませんでした。しかし、彼のブンデスリーガでの勇姿を見るにつけ、クスッと笑ってしまうことも多かったのです。
例えば、審判への異議。代表キャプテンの責務としては真摯で適切なものに見えますが、クラブのいち選手としても、彼は頻繁に審判へ文句を言っているのです。
実は、ハセは2002年に藤枝東高から浦和へ加入した初年度はJ1未出場でしたが、翌2003シーズンの公式戦初戦となったヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)のグループリーグ第1戦、ハンス・オフト監督から満を持して先発を言い渡されて颯爽と臨んだプロ初先発のゲームで、2度の警告を受けて退場しているのです。
普段は思慮深く聡明な彼ですが、ピッチに立つと感情が爆発するのは若い頃も今も同じ。
今回のインタビューでも「昨シーズンのヘルタ戦で、(デイビー・)ゼルケに肘打ちして退場しましたから。あれは素の部分が出てしまったかもしれないです」と苦笑いしながら話していました。