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藤田菜七子が乗り替わりGI初騎乗。
名手マーフィーから学べること。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/02/01 17:00
根岸Sを快勝したコパノキッキングとオイシン・マーフィー。この馬が藤田菜七子にとって初のGI挑戦となる。
藤田菜七子へ“アドバイス”。
本番でバトンを受ける藤田菜七子騎手へ向けて、というわけではないが、マーフィー騎手は同馬に対する印象を次のように語る。
「今回は1400m戦を勝ってくれましたけど、この距離でも少し長い印象を受けました。多分、1600mはこの馬にとっては少し長過ぎる。おそらく1200mがベストの馬だと思います」
また、日本を発つ前に、今回の来日について改めて伺うと、笑顔で次のように答えた。
「沢山の人にサポートしていただき、25ものレースを勝利することができました。日本のジョッキーは皆、フェアーだし、上手。その中でこれだけ勝てたのはとても嬉しいです。また、さらに上手になって日本に戻ってきたいです」
「この後はイギリス、そしてドバイでも騎乗をする予定」と言い、日本を後にしたマーフィー騎手。若いながらも世界中を飛び回り、積んだ経験が、今回の好成績と強い結びつきがあった事は疑いようがない。
外国人騎手の活躍で、日本人の若手騎手が育たないという声が囁かれる昨今。マーフィー騎手のような世界のトップジョッキーが日本へ来て乗ることで、乗れなくなってしまう日本人騎手が出て来るのは、限られたレース数でやっている以上、事実である。
しかし、考え方次第では、優秀なジョッキーが向こうから来てくれるのは、ただで教科書を与えてもらえているようなものなのだ。
外国人ジョッキーの活躍に苦言を呈すばかりでなく、彼のような世界レベルのジョッキーから影響を受けた日本の騎手レベルが、さらに上がってくれることを期待したい。きっと藤田菜七子騎手も、マーフィー騎手のコパノキッキングでの騎乗ぶりをしっかりとチェックしていることだろう。