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藤田菜七子が乗り替わりGI初騎乗。
名手マーフィーから学べること。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2019/02/01 17:00

藤田菜七子が乗り替わりGI初騎乗。名手マーフィーから学べること。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

根岸Sを快勝したコパノキッキングとオイシン・マーフィー。この馬が藤田菜七子にとって初のGI挑戦となる。

22歳の初GIも「長かった」。

 さらにその翌年、'17年には念願のGI制覇も果たす。凱旋門賞の行われた同じ日、同じ場所で行われたフォレ賞(GI)をアクレイムに騎乗して優勝。22歳での初GI制覇だったが、騎手デビューしてから5年目という年月は本人にとって「長かった」そうだ。

「GIを勝つまでに随分と時間がかかってしまったと自分では感じました」

 ところが、その1勝が引き金になったかのように、その後はGIを勝ちまくるようになった。

 フォレ賞から2週間後にはカナダのE・P・テイラーS(GI)をブロンドミーに騎乗して優勝した。'18年にはベンバトルでドバイターフ(GI)を勝利。このレースには過去に同レースを勝ったヴィブロス(2着)やリアルスティール(3着同着)、ディアドラ(3着同着)ら日本勢も出走していたので記憶に残っているファンも多いのではないだろうか。

 そして何よりも彼を不動のトップジョッキーとして知らしめたのはロアリングライオンとのコンビで残した数々の実績だろう。

 ダービーこそ3着に惜敗したものの、その後、エクリプスS(GI)、インターナショナルS(GI)、アイリッシュチャンピオンS(GI)、クイーンエリザベスII世S(GI)とビッグレースを次々制覇。ヨーロッパの'18年度における年度代表馬に選出される活躍を、支えてみせたのである。

「ユタカ・タケは素晴らしい」

「日本の競馬はいつもウェブサイトでチェックしていました。ユタカ・タケが素晴らしいジョッキーである事もよく分かっていますし、いつか日本で乗ってみたいという気持ちも強く持っていました」

 そんな願いをかなえたのが、今回の短期免許取得だった。

 滞在中には2人の妹も日本に呼び寄せ、彼女達の前でも見事に1着でゴールするなど、1カ月半の中で実に25もの勝ち鞍を記録してみせた。

 とくに最終日となった1月27日は5勝。ラストの3鞍となった10、11、12レースをいずれも勝利でしめてみせた。

 第11レースが冒頭でも記した根岸S(GIII)。マーフィー騎手にとって初めてとなるJRA重賞制覇で、コパノキッキングをGIフェブラリーSへといざなったわけだ。

【次ページ】 藤田菜七子へ“アドバイス”。

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