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藤田菜七子が乗り替わりGI初騎乗。
名手マーフィーから学べること。
posted2019/02/01 17:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
「藤田菜七子騎手のGI初騎乗が実現!!」
1月28日のスポーツ新聞各紙にはそんな見出しが躍った。
騎乗するのは前日にフェブラリーSの前哨戦である根岸S(GIII)を快勝したコパノキッキング(セン4歳、栗東・村山明厩舎)。同馬に騎乗していたオイシン・マーフィー騎手が短期免許の期間を終了したため藤田騎手への乗り替わりとなるのだが、今回はそのマーフィー騎手に焦点を当ててみたい。
今回、初来日だったマーフィー騎手。昨年の12月15日からこの1月27日まで、約1カ月半、日本で騎乗した。1995年9月6日生まれだから23歳の一時期を日本で過ごした事になる。
彼が生まれたのはアイルランドのキラーニーという街。父・ジョン、母・マリア・カロッティーの下、2人の妹シブとブリシンと共に育てられた。
実家は牛の牧場。スポーツ好きなマーフィー騎手はラグビーやサッカーなどに興じながら乗馬も行っていた。
「4歳ですでにポニーに乗り、その後、ショージャンピングに出場していました。馬に乗るのは大好きだったので物心がついた時にはジョッキーになりたいと考えていました」
17歳でのデビュー年に42勝。
16歳でかの地のトップトレーナーであるエイダン・オブライエン厩舎で調教に騎乗。その後、イギリスへ渡り、17歳だった2013年5月、正式にジョッキーとしてデビューした。
「初勝利を挙げるまでには2週間を要しました。13戦目だったはずです。同期のアプレンティス(見習い)は僕を含め9人いたのですが、僕の成績は一番悪かったので、正直、どこまでやっていけるのか不安だらけ。だからとにかくガムシャラに乗りました」
それが良かったのか、1年目が終わってみればいきなり42勝も挙げることができた。さらに2年目の5月にはテンプルS(GII)をホットストリークに騎乗して優勝。重賞初制覇を飾った。
'16年には飛躍的に勝利数を伸ばし自身初めて100勝を突破。最終的に116勝もすることができた。