我慢強くプレーを続けた先に成長がある。

　1－0で終えたベトナム戦のあと、チームの心臓部であるボランチの遠藤航は森保監督の「苦しくなっても続けろ」というメッセージにこめられた意味をこう分析していた。

「プレーを切らさず、集中力を切らさず、やっていけということだと思う。今日もVARで1回（ゴールが）取り消されちゃいましたけど、そのあとにしっかり盛り上げて、もう一度ギアを上げてやっていた。それを監督は『我慢強さ』と表現しますが、それは日本の良さだと思うし、続けることが大事だと思います」

　遠藤の攻守が一体になったプレーは、チーム全体にパワーをもたらす。ボールを失っても、彼のプレーは終わらない。相手からボールを奪って前線に渡しても、彼が足を止めることはない。

　チームのカルチャーを体現し、それがピッチ上でも有効に機能する。その意味で、彼もまた森保監督のサッカーにとって理想的な選手である。

　プレーを止めるな。足を止めるな。そして、考えるのを止めるな。

　我慢強くプレーを続けたその先に、日本の勝利とチームの成長がある。少なくとも、監督とチームは、確かにそう信じている。それが今の日本代表である。