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ウッズ「去年とはまったく違う」
現実味を帯びてきた2つの大記録。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2019/01/25 08:00

ウッズ「去年とはまったく違う」現実味を帯びてきた2つの大記録。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

2019年初戦、コンディションのよさそうなタイガー。どれほどの人がこんな姿をまた見られると信じていただろうか。

「去年とはまったく期待値が違う」

 通算80勝目を挙げた事実だけではない。今年のウッズはちょうど1年前の自身のコンディションとを比べた上で手応えがある。

「去年とはまったく期待値が違う。今は自分の身体が、何ができて、何ができないかを理解できる。去年はとても流動的で、(その都度)動くターゲットを狙うような感覚だった。時間が経つごとにトライし、前進するのは楽しかったけどね」

 2年前の春に踏み切った腰のフュージョン手術は、選手生命を維持するのはもとより、“普通の生活”に戻るための最後の手段でもあった。

「座ることも、立つことも、歩くことすらできない期間が長くあった。それを取り戻して、職場に復帰することもできたんだ」

 日常が戻ってきても、ラフからプレーすることは2年はなかった。

40代でメジャーを勝つ選手は増えている。

 昨年12月に43歳になったウッズの前にはいま、サム・スニードが記録した82勝というPGAツアー最多勝利記録の更新と、そしてジャック・ニクラスのメジャー通算18勝(ウッズは14勝)の更新という偉業への期待が再びある。

「若い頃のようには走れない」と言うように不惑を過ぎてからの身体は昔とは違う。

 ただし、21世紀に入って40歳以上でメジャーを制した選手も6人いる。2016年に全英オープンを制したヘンリック・ステンソン(当時40歳)が直近で、'13年のフィル・ミケルソン(全英オープン/43歳)、'12年のアーニー・エルス(全英オープン/42歳)、'11年のダレン・クラーク(全英オープン/42歳)、ビジェイ・シン(2004年PGA/41歳)とビッグネームが並ぶ。

 ファーマーズインシュランスオープン前週のデザートクラシックでは、48歳の盟友ミケルソンが優勝争いを演じて2位でフィニッシュしたばかり。医療などの進歩で一般的に寿命が延びているのだから、選手生命も長くなって然りである。

【次ページ】 ウッズ自身も、復活を信じきれていなかった。

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