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ウッズ「去年とはまったく違う」
現実味を帯びてきた2つの大記録。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2019/01/25 08:00
2019年初戦、コンディションのよさそうなタイガー。どれほどの人がこんな姿をまた見られると信じていただろうか。
ウッズ自身も、復活を信じきれていなかった。
復活優勝を遂げたイーストレイクでの戦い。ロリー・マキロイとの最終組で回った最終日、18番ホールを闊歩する姿を追った大ギャラリーが興奮のあまりプレーエリアにまで押し寄せた。そのシーンは今も多くの人の記憶で鮮明だが、ウッズが背中越しの騒動に気づいたのはグリーンに上がってからだったという。
「どれだけの人がスマートフォンを掲げて、叫んでいたか分からない」
思わぬ光景に思わず鳥肌を立て、涙をこらえた。同じようなシーンが再び起こるかは「分からない」と記者会見で言った。
ただし「僕自身、このレベルまで戻ってこられるとは思っていなかった。この部屋にいる皆も誰一人として想像していなかったはずだ」。
誰が復活を確信していただろうか。
振り返れば4年前、ウッズはこのトーレパインズGCで“醜態”をさらしていた。
霧に覆われた試合前日のこと。コースの北東側に位置するドライビングレンジで、ウェッジを持ってショットを繰り返すが、フェースの真にまともに当たらず、ダフったり、トップさせたり……。故障からの復帰に苦しみ、スイング改造に取り組んでいる最中だったとはいえ、打席のそばにいたツアー仲間が駆け寄ってレッスンする様子もあった。
当時あの姿を見ていれば、誰が復活を確信していたことだろうか。
タイガー・ウッズに関して言えば、まだ正確なシナリオを書ける人物を探す方が難しい。
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