“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
2019年パ新人王争いを予想してみる。
有力は大卒で層の薄い投手陣の……。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2019/01/26 11:00
西武のドラフト1位となった松本航。菊池雄星が抜けた穴を埋める役割を果たしたい。
リリーフ向きの甲斐野と東妻。
甲斐野、東妻はリリーフ適性がある。2人とも現代野球で重要視されているボールの回転数の多いタイプで、特に甲斐野は平均以上の2400回転と言われている。短いイニングで腕を振って投げ込まれるストレートは威力満点だ。
一方でソフトバンクとロッテのリリーフ陣を比較すると、新人が活躍できる場はロッテの方が大きそうだ。
サファテ、森唯斗、加治屋蓮、嘉弥真新也、モイネロ、石川柊太、高橋礼がそろうソフトバンクに対して、ロッテは益田直也、松永昂大、内竜也、大谷智久、チェン・グァンユウ、岩下大輝の防御率が軒並み3点台以上。東妻がいきなり抑えを任される可能性もあるため、新人王候補の対抗に推したい。
社会人で即戦力候補なのは?
'18年のドラフトは即戦力タイプの社会人投手が3位以下で多く指名された。代表的なのが生田目翼(日本通運→日本ハム3位)、荒西祐大(Honda熊本→オリックス3位)、板東湧梧(JR東日本→ソフトバンク4位)、森脇亮介(セガサミー→西武6位)、奥村政稔(三菱日立パワーシステムズ→ソフトバンク7位)といったところ。
この中では即戦力候補に挙げられるのは生田目と板東。ともに150キロ前後のストレートを投げる本格派で、多彩な変化球を操る技巧派の一面も備えている。
特に板東は、鳴門高時代はまとまり過ぎとスカウト陣から敬遠される面もあったが、5年間の社会人生活でストレートが148kmまで上がり、ソフトバンク投手陣の中に入っても見劣りしない。
高校生の藤原恭大(外野手・大阪桐蔭→ロッテ1位)、太田椋(遊撃手・天理→オリックス1位)、野村佑希(内野手・花咲徳栄→日本ハム2位)、渡邉勇太朗(投手・浦和学院→西武2位)は3年後の戦力だが、渡邉は西武投手陣の層の薄さが追い風になり、オールスター後くらいに一軍昇格があっても不思議でない。