“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
2019年パ新人王争いを予想してみる。
有力は大卒で層の薄い投手陣の……。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2019/01/26 11:00
西武のドラフト1位となった松本航。菊池雄星が抜けた穴を埋める役割を果たしたい。
コントロールのいい竹安。
在籍投手では30イニングを目安に、昨年ファームで防御率1点台を記録した選手をピックアップした。
中塚駿太(西武)50.1回、45被安打、28与四球、50奪三振、防御率1.97
竹安大知(阪神→オリックス)34.2回、16被安打、10与四球、25奪三振、防御率1.30
齋藤綱紀(オリックス)33.2回、28被安打、12与四球、33奪三振、防御率1.34
西口直人(楽天)35回、23被安打、11与四球、35奪三振、防御率1.80
永野将司(ロッテ)21回、16被安打、4与四球、29奪三振、防御率1.29
5人とも投手陣に不安があるだけに、一軍定着が期待されている。一軍で活躍できる条件はまずコントロールなので、この中では西勇輝のFA移籍により人的補償でオリックスに移籍した竹安が最も可能性を秘めている。与四球率2.60に加え、被安打の少なさも魅力がある。
イニング数が足りないが、永野は社会人時代から定評のあった最速154kmのストレートに安定感が増し、その成果が奪三振率12.4、与四球率1.71の数値にしっかり表れている。本格派右腕の岩下大輝、種市篤暉が昨年のフレッシュオールスターでストレートが150km以上を計測し、今年のロッテは上位球団を脅かす存在になりそうだ。
打者で注目は西武・山田。
打者は長打率4割を目安にして候補を選んだ。
山田遥楓(西武)87試合、打率.264、長打率.419、安打78、本塁打8、打点34
愛斗(西武)99試合、打率.250、長打率.399、安打87、本塁打13、打点49
西村凌(オリックス)65試合、打率.308、長打率.487、安打69、本塁打4、打点25
香月一也(ロッテ)65試合、打率.258、長打率.448、安打64、本塁打12、打点42
岩見雅紀(楽天) 113試合、打率.284、長打率.462、安打96、本塁打14、打点42
山田は昨年9月19日、8番・三塁でスタメン出場した日本ハム戦でレフトにホームランを放ち注目された。西武の選手らしく持ち味は右打席からのフルスイングで、気持ちを前面に出した守備も気持ちがいい。長打不足のロッテ、楽天にあって香月、岩見の長打力も魅力がある。
最後に整理すると、本命は松本航、対抗は東妻勇輔、伏兵が板東湧梧、竹安大知、永野将司の3人。在籍選手だと安田尚憲(三塁手・ロッテ)は昨年一軍で60打席と新人王の資格を残している。