新刊ドラフト会議BACK NUMBER
『20年目の松坂世代』
「松坂世代」を言葉で伝える
アナウンサーとしての使命。
posted2019/01/27 07:00
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Sports Graphic Number
17年前の東京六大学野球、春季リーグ戦。慶應対立教の一戦は0対0の9回、内野ゴロの間にサヨナラを狙った立教のランナーがホームでタッチアウトとなり、引き分けに終わりました。ホームに送球したのは、慶應のファーストを守っていた私でした。
試合後、際どい判定に「セーフではないか」と声をあげる立教ナインを「みんな、しっかり整列しよう。明日、勝てばいい」と冷静に諭して整列させたのが、立教のキャプテン、上重聡でした。
勝負ごとに対して達観し、凜としている――これが同い年の上重に対して、私が最初に強く抱いた印象でした。