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武豊が'19年開幕週6勝と絶好調。
天才騎手の技術は今も衰え知らず。

posted2019/01/11 16:30

 
武豊が'19年開幕週6勝と絶好調。天才騎手の技術は今も衰え知らず。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

中山競馬場で開幕を迎え、今年初勝利を挙げた武豊騎手とジャスパープリンス。

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Satoshi Hiramatsu

 2019年の中央競馬は例年通り1月5日に幕を開けた。中山競馬場では中山金杯、京都競馬場では京都金杯といった重賞がそれぞれ行われ、翌6日との連続開催で開幕週を終えた。

 若手の武藤雅騎手が開幕日にいきなり2連勝したり、短期免許で来日中のオイシン・マーフィー騎手が3勝を挙げたり、初日の中山金杯でウインブライトに騎乗して優勝した松岡正海騎手が2日目のパドックで出走馬に蹴られて骨折してしまうなど、悲喜こもごもあった各ジョッキーだが、何と言っても元気な姿を見せてくれたのは武豊騎手だった。

 意外にも「初めて中山競馬場で開幕を迎えました」と言うように、初日は初めて中山金杯に騎乗。ここのマウントゴールドは残念ながら12着に敗れたが、直前の特別競走、カーバンクルSをモズスーパーフレアで好時計勝ちするなど、この日は2勝。上々のスタートを切った。そして、それに輪をかけて素晴らしかったのが翌日のことだった。

騎乗機会4連勝を含む6勝。

 京都競馬場へ移動したJRA唯一の4000勝ジョッキーはこの日の第1レースを8番人気のモーニングサンで優勝。単勝18.0倍の穴をあけると勢いに乗った。

 第2レースを元メジャーリーガーで武豊騎手の知人でもある吉井理人オーナーのマゼに騎乗し、1番人気に応えて連勝。更に第4レースを2番人気のゴールドラグーンで勝つと、続く第5レースも4番人気のメリーメーキングを先頭でゴールへいざなう。

 なんとこれで騎乗機会4連勝。前日と合わせた勝利数は6。開幕週を終えてトップの座についてみせた。

 武豊騎手が唯一無二のレジェンドジョッキーであることに異論をはさむ人はいないだろう。

 ターフの魔術師と呼ばれた元騎手で元調教師の故・武邦彦氏の三男として、騎手デビューを果たしたのが1987年。その年に、1年目の騎手としては当時のレコードとなる69勝を挙げると、2年目の1988年には早くも初のGI制覇となる菊花賞を優勝(スーパークリーク)。関西リーディングの座に輝くと、3年目の1989年には133勝をマーク。デビューからわずか3年で初の全国リーディングの座を射止めた。

【次ページ】 記録づくめの“平成の盾男”。

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