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スポンサーのはずが今や大分サポ。
トリニータと浅田飴の幸せな関係。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/01/02 08:00
浅田飴の商品を手にしながら指示を送る片野坂知宏監督。大分トリニータJ1復帰の立役者だ。
Jリーグ観戦がある週末。
中の人が続ける。
「試合当日にも商品を配ったのですが、その際にサポーターの方々が拍手で迎えてくれたり、社長のもとに続々と握手を求めてくる様子が(携帯に)送られてきたんです。こんなにも好意的に迎え入れてくれるものなのかと驚きました」
サポーターから大歓迎され「スポンサーになることの意義を改めて感じました」(玉木さん)と実感した3人。それ以降、彼らの週末はトリニータの観戦をメーンに据える過ごし方になったという。
特に大変貌を遂げたのは、中の人だ。もともと野球好きで、サッカーにほとんど興味がなかった。それも「W杯ですら1試合も見ない人」(玉木さん)というレベルだったのが、驚くほどトリニータ、そしてJリーグにのめり込んでいった。
「DAZNにもすぐ加入して、毎週末楽しみで仕方なかったです。J2のリーグ戦が終わってしまってからは『うわあ……なんか物足りないなあ、この週末』みたいな。あ、でもトリニータサポーターの方はもちろんなんですが、各クラブを愛する人々と交流ができたことも嬉しかったですね。昇格が決まるとJ1のサポーターさんが『昇格おめでとう!』とリプライしてくれましたしね。
あとJ3の鹿児島ユナイテッドのサポーターさんから『鹿児島の試合も見てください!』と来たので、しっかり見ましたよ。鹿児島サポーターの皆さんが浅田飴を持っていたのはびっくりしましたが(笑)。こんなふうにJリーグをチェックするのは、もはや日課です」(中の人)
スポンサーになっての大歓迎。
他クラブのサポーターとの交流について、玉木さんはこのように話す。
「今回はこうやってトリニータさんとご縁があったわけですけど、いち企業がいちチームのスポンサーになることに対して、他クラブのサポーターの方がどういう反応をするのか、ちょっと怖い部分もあったんですよ。
ただ実際にスポンサーとしてかかわってみると、本当に好意的で『ようこそJリーグへ、一緒にサッカーを盛り上げていきましょうよ』というスタンスでサッカーの世界に迎え入れていただけた。これは本当にJリーグが素敵なところですよね」