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スポンサーのはずが今や大分サポ。
トリニータと浅田飴の幸せな関係。 

text by

茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/01/02 08:00

スポンサーのはずが今や大分サポ。トリニータと浅田飴の幸せな関係。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

浅田飴の商品を手にしながら指示を送る片野坂知宏監督。大分トリニータJ1復帰の立役者だ。

中の人は最初不安だった。

 取材に応じてくれたのはトップである堀内邦彦社長(写真)、広報担当の玉木卓さん、そして……

「あ、私が弊社の公式ツイッター担当なんですが、本名ではなく『中の人』と表現してもらえると嬉しいです」

 いきなりキャラづけしてきた、中の人である。正直戸惑ったが、ここは設定を受け入れてツイート直後の社内の様子について聞いた。

「『スポンサーになってくれれば』というツイートに、我々のことを知ってくれているんだと、ありがたさを感じました。ただその一方で、大分トリニータさんにもご迷惑がかかる案件なのでは、と最初は思っていました」

 中の人は当初、不安な気持ちもあったことを明かす。しかし素早い動き出しを見せたのはトリニータ側だった。

 翌日には会社に連絡があり「最初は怒られるんじゃないかと思っていたんですが、ぜひ一度会ってお話がしたいとのことでした」と、その後も両社の思いが一致し、話は進む。そしてスポンサー契約が決まったこともあり、第33節・カマタマーレ讃岐戦とその前日練習に足を運ぶこととなった。

監督の人柄、温かさ、握手。

 そこで3人が大きなインパクトを受けたことがある。

 片野坂監督の人柄やサポーターの温かさだ。

「練習にうかがったのですが、試合前日だったのでピリピリしたムードなのではないか、と気がかりではあったんですよ。それも我々のような"ぽっと出の者"が……と思っていたのですが、片野坂監督は向こうから『ああ、どうもどうも!』と来ていただいて、握手してくださいました」(堀内社長)

 サッカーでは握手をかわす場面が数多くある。

 例えばキックオフ前、両チームのキャプテンと主審が握手をかわしてからコイントスをする。タイムアップ直後もセンターサークル上で整列し、22人の選手と審判団が握手する……という感じだ。

 そんな文化があるからか、サッカーに携わる人々は普段から握手する。つまり、自然と体に染みついているのだ。

 それは堀内社長、中の人にとって全くの異文化だったのだ。

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