沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER

2018年最後のGIにも怪物が登場。
サートゥルナーリアのスケールは? 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

PROFILE

photograph byYuji Takahashi

posted2018/12/27 13:45

2018年最後のGIにも怪物が登場。サートゥルナーリアのスケールは?<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

全く底が見えないサートゥルナーリアは、ここを制して最優秀2歳牡馬に名乗りをあげるか。

ルメールの騎乗馬はアドマイヤジャスタ。

 新馬戦で2着に敗れたあと2連勝中のアドマイヤジャスタ(牡、父ジャスタウェイ、栗東・須貝尚介厩舎)も強い。'14年にオーストラリアのコーフィールドカップを勝ち、つづくメルボルンカップで最下位に敗れたのち、同地で急死したアドマイヤラクティの半弟だ。スタートはあまり上手ではないが、道中で動いても、その先で折り合うなど、レースセンスがある。

 手綱をとるのはクリストフ・ルメール。有馬記念の日の最終レースを勝って、今年の211勝目を挙げた。武豊の持つ年間最多勝記録の212にあと「1」と迫っている。28日は8鞍に騎乗。このホープフルステークスで新記録達成、というシーンがあるかもしれない。

 メンバー中唯一の重賞勝ち馬ニシノデイジー(牡、父ハービンジャー、美浦・高木登厩舎)は、勝っても勝っても人気にならない。前々走の札幌2歳ステークスは6番人気で1着、前走の東京スポーツ杯2歳ステークスは8番人気で1着だった。未勝利、札幌2歳ステークス、東スポ杯と3連勝してきた今回こそ――と言いたいところだが、おそらく1番人気はサートゥルナーリアだろう。

 確かにサートゥルナーリアの母系は超一流だが、この馬も、3代母が1991年の阪神3歳牝馬ステークス(旧馬齢)、'92年の桜花賞、スプリンターズステークスなどを制した名牝ニシノフラワーという良血だ。

 札幌2歳ステークスでは勝負どころから果敢に動いて叩き合いを制し、東スポ杯では、ゴール前でいったん他馬に前に出られながらも差し返した。出入りの激しいレースや、乱ペースの消耗戦に強いタイプだ。

ノーザンファームの16勝目は?

 ということで、結論。

◎サートゥルナーリア
○ニシノデイジー
▲アドマイヤジャスタ
△ヴァンドギャルド
×ミッキーブラック
注ブレイキングドーン

 ◎▲×がノーザンファームの生産馬。この3頭のどれかが勝てば、同牧場は記録をさらに更新する今年のGI16勝目となる。

 昨年の勝ち馬タイムフライヤーは、3歳になってから5、10、11、6、6着と伸び悩んでいるが、GIIだった一昨年の勝ち馬レイデオロは、ダービーと天皇賞・秋などを勝っている。

 レイデオロ級の大物が、ここから巣立つことを願いながら、熱戦に期待したい。

BACK 1 2
#サートゥルナーリア

競馬の前後の記事

ページトップ