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大きなチャンスつかんだF1界の俊英、
P・ガスリーの笑顔と闘志。
posted2018/12/27 17:00
text by
今宮雅子Masako Imamiya
photograph by
Noriaki Mitsuhashi
だが若き力は虎視眈々と王者への挑戦を狙っている。
貴重な本人取材に基づいた雑誌Numberでの短期集中連載
「F1 Climax 2018」全4回を順次全文公開します。
第2回はNumber965号('18年11月8日発売)より、
トロロッソ・ホンダからレッドブルに昇格したピエール・ガスリー!
大きなチャンスは、いつも突風のようにやって来る。レッドブル・レーシングのアドバイザー、ヘルムート・マルコから連絡を受けたのはベルギーGP直前、短い夏休みが終わろうとする頃だった。
「子供の頃からの近所の友達みんなと休暇を過ごしている最中だったから、タイミングは完璧だったよ! 僕のキャリアの最初から応援してきてくれた仲間にはそれがどんなに重要な決定かわかっていたし、みんなでお祝いをして最高にハッピーだった」
ジェンソン・バトンがF1デビューしたとき、友達の反応は「おまえの名前がプレイステーションに載るの?」というものだったと伝えると、ピエール・ガスリーは笑い転げながら答えた。
「一緒、一緒。僕の友達も"ガスリーになってプレステで戦える"とか言ってた。みんなF1ゲームが大好きだからね。"22年ぶりにF1でラ・マルセイエーズが聴ける"って友達もいた(笑)。来年フランス国歌が聴けたら嬉しいな。
2014年からレッドブルの育成ドライバーとして走って来た僕にとって、レッドブルチームに行くことは大きな目標だったから、すごく感激したし、幸福に感じている」
「F1ではすべてがすごいスピードで進んでいく」
8月上旬、ダニエル・リカルドがルノー・チームへ移籍すると知ったときには、世界中の人々と同じように驚いた。レッドブルのシートが空いたと思うと、気にならないわけはなかった。それでも、短い夏休みを思いきり楽しもうと努めていた。
「F1ではすべてがすごいスピードで進んでいく。12カ月の間に僕はスーパーフォーミュラからトロロッソのドライバーになって、来年はレッドブルで走ることが決まった。でも、流れに呑まれてはいないと思う。ちゃんと地に足をつけて"大きなチャンスだ"と捉えてるよ。いま僕に起こっているのは、僕がずっと望み、そのために努力を重ねてきたことだから。トロロッソと一緒に全力を注いできた。チームの外でもトレーニングを積んできた。すべてが速く進展したけど、それは僕がトロロッソと一緒に行なってきた仕事の賜物だと思う」
だからこそ、いまは'18年シーズンに集中したいのだと強調した。
「最終戦までに、今年のトロロッソ・ホンダから最大限の力を引き出したい。それがいまの僕にはいちばん大切な仕事だ」