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「みんながみんな田臥勇太じゃない」
Bリーグ首位栃木に感じる自負心。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2018/12/22 09:00
今シーズンは最初の6試合に出場したのち負傷で欠場が続いている田臥勇太。ベンチからチームを鼓舞する。
「僕には僕のスタイルがある」
渡邉はプレー面でも、田臥と同じような役割を果たすことは全く考えていないという。
同じポイントガードのポジションでも、田臥はオフェンスのテンポアップやアシストパスなど得点以外の部分が秀でている。一方アウトサイドシュートの得意な渡邉はフィニッシャーとしての特徴もある。
自分のスタイルがチームに必要とされていることを自覚し、その持ち味を出す。それこそがチームへの貢献になるということを理解している。
「どうせバスケットをやるなら、自分のスタイルを貫くほうがより良いバスケット人生になると思います(笑)。自分は1回辞めていることもあって、そういう我はあるかなと思いますね。それにみんながみんな“田臥勇太”みたいなバスケットができるわけではない。僕には僕のスタイルがある」
もちろん、田臥の存在感が失われたわけではない。欠場はしているがホームゲームではベンチ入りし、新潟戦では約2カ月ぶりに遠征にも帯同。事あるごとにチームメートを鼓舞する姿は変わらず、チーム全体に与える影響は特に強く出てきている。
「今日(16日)も気持ちが折れそうな場面が何回かありましたが、そういう時に彼が声を出してリーダーシップを発揮することで、周りもそれにつられて声を出している。そこが今シーズンのブレックスの良いところで、チーム一丸となって戦うという意識を全体に持たせている彼の存在は大きいです」(安齋ヘッドコーチ)
誰が入っても力が落ちない。
今シーズン川崎ブレイブサンダースから移籍してきた栗原貴宏は、これまでも外から栃木の強さを見てきていたが、チームに加わって改めてその良さを肌で感じている。
「自分たちがやるべきことを40分間できるチーム。できていないことがあれば選手同士でもはっきり指摘するし、スタッフも含めて厳しく言い合えているので、自分も『やってやる』という気持ちになります。
誰が入っても力が落ちないし、みんな『誰かがいないから負けたと言われるのだけは嫌だ』という強い気持ちでプレーしている。1人ひとりが責任と強い気持ちを持っているから強いんじゃないかと思います」