パラリンピックへの道BACK NUMBER
大泉洋主演映画と日本代表・大西瞳。
アスリートは介助の現場をどう見た?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2018/12/25 07:00
リオパラリンピックで、走り幅跳びに出場した時の大西瞳。東京パラリンピックでは、さらなる記録更新を目指す!
「パラリンピック、すごいな!」
もともと、中学、高校時代に陸上部だったこともあって、陸上競技を始めた。
その後、パラリンピック出場を目指し、励んできた。
「北京パラリンピックを観戦しに行って、『パラリンピック、すごいな!』と思って、ロンドンを目指しました。でもロンドンでは補欠だったんです。パラ陸上の中では、男女1人ずつしか行けない。男子の選手は繰り上がりで出場したので、結局、補欠だったのは私1人。悔しい思いをしました」
その後、パラリンピック出場の基準を満たす成績を残すまでになり、リオデジャネイロ出場を果たした。
だが、すんなり決まったわけではなかった。
大西はふだんから、ペースメーカーを入れている。そのため、健康状態が懸念されたのだ。
「鹿野さんは私だ、似ている」
「内部に障害があるので連れて行けない、みたいな感じでした」
でも、あきらめなかった。
「診断書をとりまくって、さらに(いざという時の)同意書にサインを……などとも言われましたが、絶対にパラリンピックに出るという気持ちをもって、あきらめずに頑張りました」
そのような経緯があって、たどり着いたのが、リオデジャネイロ・パラリンピックだった。
パラリンピック出場は、「自分らしくありたい」という長年の思いの発露でもあった。
そんな大西は映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』を観て、こうも感じたという。
「鹿野さんは私だ、似ている、と思いました」