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ポストタイプのFWは大迫勇也1人。
アジア杯で新布陣が見られる予感。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/12/19 11:30
アジアカップに選ばれた北川航也は「大迫不在時」の新たなオプションを示せるか。
チーム全体に太い筋が通っている。
'11年大会では南アフリカ後の戦力として、吉田と香川がレギュラーに名を連ねた。移籍1年目のドルトムントで中心選手となっていた香川も、南アフリカではサポートメンバーだったため、カタールでのアジアカップが自身初の主要な国際大会だった。
その香川や長谷部誠、本田圭佑らのワールドカップ経験者が主軸を担った'15年のアジアカップでは、ロシアW杯に出場する乾貴士が全4試合に先発し、柴崎と武藤も交代カードとして起用された。試合出場はなかったものの、東口、植田、昌子らもロシア行きを果たすことになる。
そう考えると、経験者をベースに次世代のタレントを加えた森保監督のチームは、2大会ぶりの覇権奪還を射程におさめつつ、'22年のカタールW杯も視野に入れた編成と言える。長友、吉田、酒井宏樹が最終ラインを構成し、中盤に柴崎、最前線に大迫が入ることで、チーム全体に太い筋が通っている。
ポストタイプのFWは大迫1人だけ。
選考に論点があるとすれば、FWのキャスティングだろうか。
FW登録が3人なのは、過去3度の代表活動と同じだ。9月は小林悠、杉本健勇、浅野拓磨。10月は小林、大迫、浅野。11月は大迫、鈴木優磨、北川航也が招集された。
過去2度は発表後にケガによる入れ替えがあり、10月は浅野に代わって川又堅碁が合流し、11月は鈴木が参加できずに杉本が加わった。ストライカーのタイプとして、ポストプレーを特徴のひとつとする選手を必ず2人揃えてきたのである。
アジアカップに臨むFWは大迫、北川、浅野に代わって招集された武藤の3人だ。中島翔哉、南野拓実、堂安律の2列目に時間と空間をもたらすポストプレーヤータイプは、大迫ひとりということになる。
浅野は9月のコスタリカ戦に途中出場し、小林に代わって1トップのポジションに入った。森保監督指揮下のサンフレッチェ広島でも、最前線を立ち位置にしたことはある。代表辞退になってしまったとはいえ、スピードを生かした背後への抜け出しこそが、浅野のストロングポイントだった。
北川も1トップの印象は薄い。今シーズンの清水エスパルスでは、ドウグラスとの2トップを基本として決定力を高めていった。森保監督の日本代表では、トップ下で起用されてきた。