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西武・今井達也はエースになる。
辻監督は「まだ20歳。よく投げた」。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2018/12/13 11:30
2018年はプロ初勝利を含む5勝を挙げた。プロ3年目となる来季は自身初の二桁勝利を目指す。
「一軍で5勝、よく勝てたなって」
今井にとって2018年は波乱の1年だった。2月、当時未成年だった今井の喫煙が発覚し、球団から期限未定の謹慎処分が言い渡された。春のキャンプにはジャージ姿で参加。
5月1日に謹慎が解け、試合に復帰したが、その表情からはすっかり笑顔が消えていた。自分に向けられた批判や好奇の目から逃げず、粛々と野球と向き合っているように見えた。
「いろいろなことを経験させていただいたと思っています。振り返ってみると一軍で5勝、よく勝てたなって。ただ5敗した分、その5敗をどうやって勝利に結びつけるか。これからその課題と向き合いたいと思っています」
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体力的、技術的な課題を痛感したと振り返る。
「クライマックスシリーズが終わったあとも、いろいろと考えました。『あの場面、もっと慎重に投げればよかったな』とか『あのボール、もったいなかったな』という悔いが思い浮かびます。ホームランを打たれたシーンもよみがえりました。
まずは1シーズン、投げぬくためにはどうしたらいいか。それがいちばん先に克服しなければいけない課題です。まだまだ体もでき上がっていないですし、筋力も上げていかないといけない」
150キロを徐々に超えなくなり。
体力不足はピッチング内容に如実に表れた。
前半戦は150キロ以上を計測していたストレートのスピードが、終盤になるとガクンと落ち、150キロを上回ったのは1試合のみだった。
そして体幹の弱さから来るフォームのブレも痛感した。
「体幹が強くなればフォームのブレも減りますし、変化球もしっかり低めに行きます。もっと右打者のインコースに投げ込める力もつけたいし、クイックモーションのときに球威が落ちるという課題も克服できると思います。そうやってやらなければいけないことを考えると、何年後に自分がどこまでできるか、楽しみでもありますね」