淡々とした態度が宇野の魅力だが。

　名古屋GPファイナル直後の宇野は、悔しさを見せず、こう語っていた。

「期待にこたえられなかったと思うので、すごく申し訳ない気持ちはある。

　でも今回は本当に（順位を）気にしていなくて。その理由が（GP）フランスの大会がとてもきつかったから、今大会は自分の演技をしたいと思っていて。試合がすごく楽しかったと、振り返って思いますね」

　こうした淡々としたところが宇野の魅力の1つではあるものの、それにしてももう少し悔しさを見せても良いのではないか、と報道関係者たちは首をひねった。だがあれから1年、心境に変化があったのだという。

「自分にプレッシャーを」と宇野。

「去年のGPファイナルも、結果が求められた試合。今回も結果が求められた試合と自覚していたので、それに応えられたらと思っていたけれど、このような演技では結果を出すことができなかった」

　バンクーバーでそう口にした宇野。

　その心境の変化はいつあったのか、と聞かれるとこう答えた。

「去年までは（試合を）楽しもうというようなことを言っていたような気もする。でもいずれ楽しんでばかりではいられないという日が来ると気付きました。

　自分にプレッシャーをかけて、その上でいい演技がしたい。

　羽生結弦選手が毎回やっているように、プレッシャーの中で、それに打ち勝って素晴らしい結果を出して、素晴らしい選手になる。

　ぼくもそうならないといけないなと思っているので、自分にプレッシャーをかけるようにしています」

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