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日本人に縁深いマリナーズの改革、
イチロー&菊池雄星にも影響が?
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2018/12/09 09:00
イチローのイメージが強いマリナーズが、チームの再構築を進めている。
今もワールドシリーズ未経験。
確かに、ファンの間からは批判的な声も聞かれる。
その一方で、近年稀に見る抜本的な若返り策に対し、後押しする意見も少なくない。
2015年オフ、マリナーズのGMに就任したディポトにとって、今オフは再出発というだけでなく、進退をかける期間でもある。今季のマリナーズは、中盤まで地区優勝争いを演じながら、中盤以降に失速。89勝73敗と勝ち越したものの地区3位に終わった。
これで、2001年以来ポストシーズンから遠ざかり、依然としてナショナルズとともにワールドシリーズ未経験のチームとなった。
だからこそ、「ハイリスク・ハイリターン」を承知したうえで、チームを一度「解体」し、「再構築」する決断を下した。
放出した理由は、選手によってまちまちだろう。たとえば、パクストンは、底力があるとはいえ、故障しがちで、過去、規定投球回数(162回)に達したことがない。
来季の全体像はまだ見えない。
36歳のカノは、今季、禁止薬物使用で80試合の出場停止処分を受けただけでなく、残り5年、総額約120億円の巨額契約が残っていた。
調停権取得前のディアス、ズニーノらは、近い将来、年俸高騰が予想されることもあり、他球団の「トップ・プロスペクト」とトレードできる絶好のタイミングと踏んだのだろう。
カノの移籍によって、今季、中堅にコンバートされた快足ディー・ゴードンは本職の二塁へ復帰する見込みだが、今の段階で来季のマリナーズの全体像は見えてこない。
裏を返せば、25人枠が28人まで広がる日本での開幕戦でベンチ入りする予定のイチローの「その後」にしても、門戸は広い。若返りを進めるうえで、将来殿堂入りが確実なイチローが同じグラウンドでプレーしていれば、彼らにとって生きた手本となることは、言うまでもない。