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『グラゼニ』凡田夏之介vs.池田純、
再びメジャーを目指す選択肢も?

posted2018/12/06 07:00

 
『グラゼニ』凡田夏之介vs.池田純、再びメジャーを目指す選択肢も?<Number Web> photograph by Number/Morning

凡田夏之介(右)にオリジナリティあふれるアドバイスを送った池田純氏。その内容とは?

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池田純

池田純Jun Ikeda

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 2018年秋、仙台ゴールデンカップスの左腕・凡田夏之介は、横浜DeNAベイスターズの前球団社長・池田純氏との公開対談に臨んでいた。

 球団経営のみならずスポーツビジネス全般に明るい池田氏と話せる貴重な機会。だが、夏之介の心は千々に乱れていた。プロ15年目の32歳、もはや若手とは言っていられない状況の中で、一言で言えば、将来への不安を感じていた。

夏之介「池田さん、僕はこの先どうすればいいんでしょう? プロ入りしてからもう15年も経ちます。それなのに、これから、生まれたばかりの双子を含む子供3人と妻を養っていかなければならないんです。でも、現役生活はいつか終わりのときを迎えるわけで……」

64%の選手が引退後に不安。

 池田氏は、夏之介が思い余って吐露した悩みを、正面から受け止めた。

池田「夏之介選手の悩みは、プロ野球選手なら誰もが感じることです。去年、NPBがフェニックス・リーグで18歳から33歳までの選手を対象に、セカンドキャリアに関するアンケートをとっていますが、引退後に不安を感じている選手は全体の64%。うち8割以上の選手が、進路や収入面での不安を抱いていました。32歳の夏之介選手も、いつかは現役引退する。いつになるか、また、どんな形になるかはわかりませんが、確かにそのことだけは決まっています」

夏之介「考えたくないことだけど……」

池田「球団が保有できる選手数には限りがある一方で、毎年必ず有望な新人がドラフト会議を経て入ってきます。つまり、プロ野球の世界では、毎年必ず、プロ野球選手としてのキャリアを終える選手が一定数います。僕はこれまでも、数多くの選手のセカンドキャリアについて、いろいろ相談を受けてきました。これまでは野球一色の人生でしょうから、誰もが不安に感じることではあるのですが、一つ一つ順序立てて、また、ビジョンをもって考えていけば、道は拓けるはずです」

【次ページ】 コーチや監督の難しさ。

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