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大谷翔平が社食で牛丼を食べた夜。
「時間の使い方」こそ一番の才能。
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byNanae Suzuki
posted2018/11/26 11:00
11月22日、メジャー1年目を終えて日本記者クラブにて帰国会見を行なった。
「時間がもったいないので」
食事が終わり、社屋を出る時に「大谷君、社食で大丈夫でしたか?」と聞くと、彼は、「田中さん、大丈夫ですよ。会社の社食に興味がありましたし、お店へ向かう移動時間のことを考えると社食で十分ですよ。時間がもったいないので」と笑顔で答えました。
彼が何気なく話した「時間がもったいない」というフレーズが、今でも僕の脳裏に焼き付いています。
二刀流を実現できた裏側には、彼の時間に対するこだわりがあったのです。「ナイターで18時にマウンドに上がる時にはすでに、翌日のタイムスケジュールがすべて頭の中に入っている」と言われているのもよくわかる気がしました。
冒頭の黒木氏の表現を聞いた時、大谷選手は緻密で妥協のないタイムマネジメント能力によって「大谷翔平」を作り上げていると確信しました。
日本に帰国し、会見で「肘の手術をして良かった」と答えた大谷選手。この言葉を聞いて、自らを作り上げてきた巧みなタイムマネジメント能力によって、すでに投手復帰のタイムスケジュールはできていると感じました。
大谷選手を語る時、「時間」という言葉が常に頭を巡ります。来季以降、どのタイミングで二刀流が完全復活するのか、楽しみで仕方ありません。