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菊池雄星は「プレミアムな存在」。
メジャー10球団、交渉の争点。
posted2018/11/23 11:30
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Kyodo News
西武からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す菊池雄星の争奪戦が、年末にかけて本格的にスタートする。11月19日には、自主トレ先の米ロサンゼルスから帰国。同地では、代理人スコット・ボラス氏とのミーティングを行うなど、今後の移籍交渉へ向け、互いにコミュニケーションを深めた。
「今後1カ月、2カ月のプランを作って考え方のすり合わせもできた。いい方向に進むように最善を尽くしたい」
現時点では、西武を通した申請手続きは行っていないが、12月5日の締め切り日までに正式に申請し、譲渡金を支払う意思のある全球団との間で30日間の交渉が始まる。
左腕はプレミアムな存在。
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)など国際舞台での経験がないとはいえ、菊池への評価は高い。
希少性のある左腕で、しかもまだ27歳。最速158kmの快速球を持つ素材は、メジャー広し、といえども、そう多くはない。敏腕で知られるボラス氏が、自信たっぷりに言うのも、決してアドバルーン的な意味合いだけではない。
「左腕投手は、メジャーでのプレミアムな存在。彼は、移籍市場で最も若いし、最も速い球を投げる投手の1人だろう。需要は高いと思う」
岩手・花巻東高卒業時も、メジャー志望を明かしたが、当時とは投手としてのレベルは格段に上がった。技術、体力とも大幅にアップし、過去3年連続2桁勝利を挙げるなど、これからプロの投手として「円熟期」を迎えるだけに、メジャーの各球団は先発2~4番手にランクしていると見られている。
「メジャーにやってくるタイミングとしてはパーフェクトだ。彼の価値をアピールできることが楽しみだ」(ボラス氏)