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菊池雄星は「プレミアムな存在」。
メジャー10球団、交渉の争点。
text by

四竈衛Mamoru Shikama
photograph byKyodo News
posted2018/11/23 11:30
米国から帰国した菊池雄星。過去最高額のポスティングも期待されるが果たして。
菊池を何番手で評価するか。
10球団とも言われる争奪戦には、菊池の高校時代、花巻で面接に臨んだレッドソックス、ドジャース、レンジャーズ、ジャイアンツは参入確実と言われる。
このほか、ダイヤモンドバックス、パドレス、ブルージェイズ、マリナーズ、フィリーズあたりが、着々と準備を勧めている。その一方で、マリナーズから左腕ジェームス・パクストンを獲得したヤンキース、左腕コール・ハメルズと契約したカブスなどは撤退する可能性が高い。
では、交渉の争点とは――。
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年俸・契約年数が重要視されることは、言うまでもない。ただ、言い換えると、各球団が菊池を「何番手」として評価するか、がキーポイントになるだろう。
たとえば、ドジャースの場合、カーショー、ヒル、前田、ビューラー、さらにウリアス、ストリップリングと豊富な先発陣を抱えており、菊池は「5番手争い」を勝ち抜く必要がある。裏を返せば、5番手に高額の資金を注ぎ込むことは、現実的には考えにくい。
逆に、ダイヤモンドバックス、マリナーズ、レンジャーズなどは、先発ローテーションが定まっておらず、「2~3番手」として期待されることもあり、それだけ好条件を用意して交渉に臨むこともできる。
約60億円を最低ラインに。
2006年オフ、ポスティングで松坂大輔がレッドソックスへ移籍した際、代理人を務めたボラス氏にすれば、当時の6年、総額5200万ドル(約60億8400万円)を最低ラインに、菊池の交渉を進めるとも言われる。
「どこでプレーするとしても、しっかりパフォーマンスを出せるように準備するだけです」
帰国した菊池は、淡々と、待つ姿勢を明かした。
その胸の内に秘めた意中の球団とは――。
日本球界最高左腕にとって、激動のオフが幕を開ける。
