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<楽天初優勝の舞台裏>
斎藤隆「ブルペンから見た“神”の死と復活」

posted2018/11/19 10:30

 
<楽天初優勝の舞台裏>斎藤隆「ブルペンから見た“神”の死と復活」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

text by

日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

PROFILE

photograph by

Hideki Sugiyama

遠きアメリカで7シーズンを過ごした斎藤隆が、故郷の新球団に加入したのは震災2年後のこと。
その年、チームとファンが一体となった楽天は、鬼神・田中将大とともに頂点へと駆け上った。

 7年間でMLB5球団を渡り歩いた斎藤隆は、2013年シーズン、イーグルスの一員として戦うことを決めた。生まれ故郷の仙台に居を移し、東日本大震災の発生から2年という時間の長短に思いを馳せた。

「爪痕がはっきり残っているところがある一方で、早くから復興している場所もあった。ぼくが帰ってきたのは、そのギャップが強く感じられるような段階でした」

 被災地の星たらんとしていたイーグルスはこの年、順調に勝利を重ねた。打線ではヤンキースから加入のマギーとジョーンズが“MJ砲”と恐れられ、先発投手陣では7年目の田中将大が無敗街道をひた走った。


 斎藤がある日の記憶を呼び起こす。

「田中と初めてキャッチボールをした時、肩、肘、手首以外にもう一つ関節を持っているような印象を受けました。腕がグングングングンと4段階に動くというか……。これはすごいなって。完敗しましたね」

 24歳は43歳のベテラン右腕にあっさりと負けを認めさせた。それどころか、ひたすら勝ち星を重ねる姿に、日米20年のキャリアに裏打ちされたロジックは崩壊した。

「若いころは完璧を求める。それこそがプロフェッショナリズムだと考える。でも少しずつ、1年を通して完璧であり続けることは不可能だという結論を出し、できない部分を認めることによってぼくはメジャーで活躍できたと思うんです。田中はそれを目の前でやってのけた。若い子がいたずらに使うレベルではなく、あの年の彼は『神』でした。ボールが指を離れる瞬間でもバッターの動きが見えているんじゃないかというぐらい、完璧でしたよね」

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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