オリンピックへの道BACK NUMBER
いつか荒川静香さんみたいに……!
白岩優奈が目指す五輪と資金援助の輪。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2018/11/19 16:30
11月15日から始まったクラウドファウンディングでは、1130万円を超える額(11月19日現在)が集まっている白岩優奈。
ちゃんとやれば、勝てる!
一方で、少しずつ伸びているという実感もある。
「プログラムコンポーネンツが評価されてきていると思います」
シニア2シーズン目を迎えての心境の変化もある。
「(1シーズン目は)ベストを尽くしても勝てないんじゃないかという疑問があったりしたのですが、今シーズンは、ちゃんとやればみんなに追いつけるんじゃないかと信じてやれています」
GPの結果だけ見ても、昨シーズンの8位と6位から、今シーズンは5位と4位と順位をあげている。だから、「悔しい気持ちを引きずらずに」と気持ちを切り替えようとしている。
トリノ五輪の荒川静香のように……。
今大会は、試合以外でも注目を集めることになった。クラウドファンディングで活動資金の支援を求めたことが話題となったのだ。
クラウドファンディングのページでは、年間で約400万円、不足していることが説明されている。
「北京(五輪)に向けて活動していくには、厳しい状況にありました。このままだと結果を出せない、(スケートを)続けていくのが厳しいということで始めました。たくさんの方に相談しましたし、最後は両親と私で話し合って決めました」
オリンピック出場は、長年抱いてきた目標だ。フィギュアスケートを始めた原点もオリンピックにある。トリノ五輪の荒川静香のフリーの演技に感動したことがきっかけだ。
オリンピックに出て、「荒川さんのように人の心に残る演技ができる選手になりたい」、それが最大の核として心の中にある。
だが、必要なトレーニングを積めなければ、そもそも競技を続けられなければ、かなえることは不可能だ。
資金の問題は大きな壁となっていただろう。
思えば、これまでも何度も厳しい局面と向き合ってきた。