NumberWeb TopicsBACK NUMBER
〈りくりゅう秘話〉木原龍一26歳「ペア男子が足りずお手伝いに」駆り出された2019年初夏…三浦璃来17歳との「衝撃的な出会い方」が待っていた
posted2026/02/27 06:02
ミラノ・コルティナ五輪エキシビション、朗らかな表情で演技する「りくりゅう」ペア
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
「ペアの男子選手が足りないので、お手伝いに」
「この人しかいない」
2019年初夏のペア教室で初めて組んだ瞬間、三浦璃来(当時17歳)と木原龍一(同26歳)は互いにそう感じ合った。運命の出会いから6年半、ついに五輪の頂点に立った「りくりゅう」ペアの物語は、偶然と努力が織りなす奇跡だった。
ミラノ・コルティナ五輪で日本列島中の注目を浴びたフィギュアスケートペア。しかし競技に臨む選手は決して多いとは言えず、十数年前はその状況が顕著だった。愛知県スケート連盟の久野千嘉子フィギュア委員長(以下敬称略)は当時の危機感をこう振り返る。
ADVERTISEMENT
「2014年の全日本に出場したペアは高橋(成美)・木原組のみ。仮に怪我で出場できなくなった場合、代わって出場できるペアがいなかった。次のペアを育てるのは急務でした」
2大会連続で五輪に出場していた木原は、2019年の段階で次のパートナーを探していた。その頃、日本スケート連盟は次世代ペア育成のため「ペア教室」を継続開催していた。
そのペア教室に参加していたのが三浦だった。
彼女は小学4年生の頃に参加したペアのトライアウトのことをこう語っている。
「もともと遊園地が好きで、投げられたり、回されたりすることが非日常ですごく楽しかった。それから毎年、ペアのトライアウトに参加していました」
一方の木原は「ペアの男子選手が足りないので、お手伝いに」駆り出されていた。もしここで男子選手が足りていれば、「りくりゅう」は誕生していなかったのかもしれない。
ペア人生で考えると、難しい時期の方が
後に2人を指導することになるブルーノ・マルコットコーチも参加したペア教室で、三浦と木原は「組んでみて」と促された。
久野は当時の衝撃を今も鮮明に覚えている。
