フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
NHK杯制しファイナル決めた宇野昌磨。
露のベテラン、伊の若手も躍進!
posted2018/11/12 17:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
11月9日、今季GPシリーズ第4戦目となるNHK杯が広島市で開催された。今年はNHK杯が創設されてから40回目ということもあり、例年にも増して盛り上がりを見せた大会となった。
男子は本大会に初めて出場した宇野昌磨が、初タイトルを獲得。スケートカナダの優勝と合わせて、いち早くGPファイナルへの切符を手にした。
SPでは『天国への階段』のフラメンコギターアレンジで、4フリップから演技を開始。多少前のめりになったが膝を深く曲げて耐えて降りた。だが次のコンビネーションを予定していた4トウループは回転しすぎで後ろに転倒。素早く立ち上がり、軸のきれいなスピン、そしてスケートカナダでは失敗した3アクセルをきれいに着氷し、スプレッドイーグルにつなげた。
フラメンコのリズムに合わせた切れ味の良い身体の動きは、彼には次に行くべき空間が見えていて、そこに手の位置がぴたりとはまっていくような快感がある。コンビネーションの失敗はあったものの、92.49でトップに立った。
宇野、フリーもトップを保って初優勝。
翌日のフリーでは、『月光ソナタ』冒頭の4サルコウは成功したように見えたが回転不足の判定。続いた4フリップ、そして4トウループときれいに決めていった。後半の4トウループ、そして最後の3サルコウでステップアウトしたものの、3アクセル+1オイラー+3フリップなど完璧にきめてフリー183.96を獲得。総合276.45でトップを保った。
「失敗が最初のサルコウ、コンビネーションと色々あったけど、後味の悪くない演技だったかなと思います」と手ごたえを語り、GPファイナルからシーズン後半にかけては「まだまだ質とか細かいところに達していない。まずはショート、フリーともにまとめるところからスタートしていきたい」と課題も口にした。