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レッドソックス世界一への戦略は、
データ+オールドスタイルの回帰。
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2018/11/12 10:00
5年ぶりワールドシリーズ制覇のレッドソックス。MVPにはシリーズ8打点を記録したスティーブ・ピアーズが選ばれた。
「大事なのはバランスだ」
その結果、'16年、'17年は地区優勝を飾った。だが、プレーオフでは地区シリーズで敗退した。つまり、何かが、不足していた。
そのピースを埋めたのが、アレックス・コーラ監督だった。データや統計を駆使し、昨季世界一となったアストロズでベンチコーチを務めたコーラは、レッドソックスとの面談の際、オーナーら首脳陣だけでなく、分析担当者とも話し合いを行ったという。
テーマは、データの使い方だった。
「我々は多くの情報を得るだろうし、それを使うだろう。ただ、大事なのはバランスだ」
データを利用するとしても、使い過ぎず、頼り過ぎない。
実際、ポストシーズンでは、相手の守備シフトの裏を突くような打撃もあれば、初球エンドラン、ディレードスチール、送りバントなど、「スモールベースボール」の要素もふんだんに織り交ぜ、敵を揺さぶった。
公式戦108勝、ポストシーズン11勝。
今季、レッドソックスが見せた、柔軟性に富んだ戦術、戦略が、今後、メジャー全体に影響を与える可能性は高い。