スポーツ百珍BACK NUMBER
「えっ、捕手の年俸安すぎ……?」
プロ野球のポジション格差を大調査。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/11/09 07:00
日本シリーズMVPに輝いた甲斐拓也。あの強肩なら、もっと年俸をもらっていいはずだ!
外野手は1億円超えだらけ。
<外野手>
広島:丸佳浩(2億1000万円/28歳)
ヤクルト:バレンティン(3億3600万円/33歳)
巨人:陽岱鋼(3億円/31歳)
DeNA:筒香嘉智(3億5000万円/26歳)
中日:大島洋平(1億8000万円/32歳)
阪神:糸井嘉男(4億円/36歳)
西武:秋山翔吾(2億2000万円/29歳)
ソフトバンク:柳田悠岐&デスパイネ(ともに4億円/29歳、31歳)
日本ハム:西川遥輝(1億6000万円/25歳)
オリックス:T-岡田(1億2000万円/30歳)
ロッテ:角中勝也(1億3100万円/30歳)
楽天:ペゲーロ(2億円/31歳)
平均:2億1758万円
なんと全球団、1億円プレーヤーが存在する。ソフトバンクに至っては柳田以外にも、長谷川勇也(2億円)、中村晃(1億6000万円)と1億円超えが数多い。いわゆる「走攻守」のうち2つ以上(3つなら完璧)、もしくは打力で突き抜けていれば、高く評価されている。捕手と比べるのは……ちょっとかわいそうだ。
なかなか称えられない捕手。
さて、煌びやかな年俸を目にした上で、問題の捕手だ。
ひと昔前によく見たバナー広告風に言えば、「うわっ……捕手の年俸低すぎ……?」である。ここ近年は捕手の分業制も進んで、盤石のレギュラーがいないとはいえだ。年俸が選手に対する評価だとするなら、捕手は「勝敗に影響を与える度合い」そのものが低く見積もられているのではないか。
チームが負けると、やれリードが悪い、やれ打力が足りないとやり玉に挙げられ、切ない役回りになりがちな捕手たち。もう少し年俸に考慮してあげても、と素人目には感じてしまう。
またプロ野球には色々なタイトルがあるが、キャッチャーが称えられる場面は少ない。もちろん盗塁阻止率や守備率、そしてゴールデングラブ賞などはあるが、やっぱり本塁打王や首位打者の「打つ」、最多勝投手や最優秀セーブなどの「投げる」と比べれば、なんだか日の目を見ないイメージである。