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なぜ内藤哲也はジェリコを追う?
1.4東京ドーム、もう1つの焦点。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/11/07 11:30
オカダ・カズチカ、棚橋弘至らを追い詰めていった時のような輝きが戻るか……ジェリコ戦は、内藤哲也の真価が問われる。
内藤はジェリコに肩透かしを!?
ジェリコが言うように、内藤は1月に後楽園でジェリコに襲われて、5月には福岡で血だるまにされた。
内藤は6月の大阪城ホールで半年分のリベンジを果たすべく、インターコンチネンタル王座の初防衛戦をジェリコ相手に戦ったが、フォール負けを喫して王座から陥落した。
内藤は、この大阪府立体育会館での大会で「オレが次の挑戦者だ」と名乗りをあげたわけだ。それなのに、ジェリコに肩透かしを食らった格好だ。
「ホント、たまにしかやって来ない“自称・世界のスーパースター”クリス・ジェリコが、今この新日本プロレスのリングでいきがっているのは、オレの責任かもしれないね。
でも、リング上で言った通り、次の挑戦者はオレだよ。クリス・ジェリコに決定権は、残念ながら無い。今日この時点で、彼の次の対戦相手は決まったよ。“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”の内藤哲也ってね。
ただ、ここで勘違いして欲しくないのは、オレはEVILの敵討ちをするわけじゃないから。オレは大阪城ホールでジェリコに負けた。その悔しさを晴らすために、彼と試合するんだ。
EVILは、今日悔しかっただろう。でも自分の借りは自分で返せばいいよ。オレはEVILの敵討ちがしたいがためにリングに上がったわけじゃないから。それだけはしっかり覚えておいて下さい。
世界のスーパースターは忙しいのかな? 今日、さっさと帰っちゃったからね。次に来るとき、あなたの目の前に立ってるのはこのオレだ。ただで帰れると思うなよ」
「最近の新日本プロレスは……」
内藤は2日後の記者会見でも、そのうっぷんを新日本プロレスに向けた。
「最近の新日本プロレスはどうなってるんですかね。
新日本プロレスが世界に目を向けている、それはすばらしいことですよ。でも、もっと身近なことや小さなことを丁寧に伝えることも、オレは大事なんじゃないかなって思いますよ。
おっ、失礼しました。ちょっとお話がそれてしまいましたね。クリス・ジェリコのことですね」