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なぜ内藤哲也はジェリコを追う?
1.4東京ドーム、もう1つの焦点。
posted2018/11/07 11:30
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「内藤、オマエはすでにオレに叩きのめされているんだ。この大阪でな。オレがタイトルマッチに持っていくのにそうしたように、オレをやっつければリマッチできるとでも思ってんのか?
それは無理だ。
東京ドームだろうが、後楽園ホールだろうが、マジソン・スクウェア・ガーデンだろうが、どこであっても、オレはオマエの前に2度と立つことはないのだから」
11月3日、大阪府立体育会館で行われたEVILとのIWGPインターコンチネンタル選手権は、王者クリス・ジェリコが貫禄の逆エビ固めで勝利した。
ギブアップした後のEVILを、さらに逆エビ固めで痛めつけるジェリコに、見かねてリングに上がって低いドロップキックを見舞ったのは内藤哲也だった。
だが、ジェリコはそんな内藤を相手にせずにさっさとリングを降りて「オレがクリス・ジェリコさまだ」と言わんばかりの表情で花道を引き揚げた。
クラシックな試合で勝ったとは!?
ジェリコはEVILに思ったより手こずったということなのか……試合後の会見で、まずは水を要求するとおもむろにしゃべり始めた。
「今日はクラシックな試合をお見せしてやった。わかるか? こんなクラシックな試合は久しぶりだ。EVILにとっては初めてだったろうけれど、オレにとっては257試合目だ。クラシックの中でもよりクラシックで、古典的な試合だ」
ジェリコはクラシックというが、確かにフィニッシュこそクラシックだったが、ジェリコがいうほどクラシックというわけではなかったが……。