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西武の熱男・山田遥楓の憧れ。
松田宣浩は「常に目標とする人」
posted2018/11/01 10:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
現在、熱い戦いが繰り広げられている日本シリーズ。10年ぶりにリーグ優勝を果たしたものの、クライマックスシリーズ・ファイナルステージでソフトバンクホークスに敗れ、日本シリーズへの出場が叶わなかった西武ライオンズで、最後まで日本シリーズへの出場権をかけた戦いをスタンドで見つめていた選手がいた。
山田遥楓、プロ入り4年目の内野手だ。
一軍に帯同し、ほかのベンチ入りメンバーとともに試合前練習を続けていたが、最終戦となった第5戦まで登録はなく、そのまま山田の2018年シーズンが終わった。
「すごい試合ばかりでした。残念ですね」
帰り際、そう言い残して球場を去った。しかしスタンドから見た光景は一生、山田の記憶に残るだろう。
「これほど緊張感のある試合は野球人生で初めてです。見ているだけでも緊張しました。急に呼ばれることも想定して、いつ呼ばれてもいいように、すぐにプレーできるように、気持ちの準備だけはしていました。
こういう試合でベンチに入るかもしれないというチャンスがあるなんて、想像もしていませんでした。今シーズンは、とにかく一軍に上がりたい、一軍で結果を残したいと、それだけしか考えられませんでしたから」
「熱男」パフォーマンスで有名に。
昨シーズン、山田はプロ入り初の一軍昇格を経験した。しかし、試合での出番はないまま二軍に降格。今シーズンは6月から断続的に昇格と降格を繰り返した。
2018年シーズン、山田を一躍有名にしたのはホークスの松田宣浩を真似た「熱男」のパフォーマンスだ。
4度目の昇格直後の9月19日の北海道日本ハム戦、4-1とリードした4回、2打席目の攻撃でプロ入り初ホームランを記録。ベンチ前でチームメイトに迎えられると、そのままレフトスタンドのライオンズファンへ向けて、右手を突き上げるポーズを見せた。大尊敬するホークス・松田のパフォーマンスを真似たものだ。