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大谷翔平を預かる新監督の履歴書。
失敗からの再起はフロント主導か。

posted2018/10/29 07:00

 
大谷翔平を預かる新監督の履歴書。失敗からの再起はフロント主導か。<Number Web> photograph by AFLO

2019年のエンゼルスを率いるオースマス監督。チーム事情は複雑だが、どれだけ総合力を高められるか。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 大谷翔平が所属するロサンゼルス・エンゼルスの新監督に、49歳のブラッド・オースマス元捕手が就任した。

 オースマスは1969年、東海岸のコネチカット州ニューヘイブンに生まれ、少年時代から野球とバスケットボール、そして読書に慣れ親しむ間に2つの目標を持ったという。

「メジャーリーガーになることと、ダートマウス大学に進学すること」。

 ダートマウス大学は副大統領を筆頭に数えきれないほどの政治家、州知事や米最高裁判事、ノーベル賞受賞者や億万長者、また俳優やオリンピックのメダリストも数多い東部の名門大学だ。

 オースマスは高校時代に投手から遊撃手に転向。バスケットボールとの「スポーツ二刀流」を楽しみながら、地域の最優秀選手に選ばれた。ボストン・レッドソックス・ファンだったが、皮肉なことに宿敵ニューヨーク・ヤンキースからドラフト48巡目(全体1152番目)指名され、「マイナーリーグでプレーする傍ら、大学に通ってもいい」という条件つきで入団した。

強肩俊足の捕手として活躍。

 成績優秀だったオースマスは難なくダートマウス大学に迎え入れられたが、彼がもう1つの目標をかなえるのには少し時間がかかった。

 プロ入りと同時に捕手に転向したオースマスは、強肩と高い運動能力を生かした守備で一定の評価を受けた。ヤンキース傘下のマイナーからコロラド・ロッキーズ、そしてサンディエゴ・パドレスへと移籍する間に打撃も向上。最終的にはAAA級マイナーで打率.270、OPS.711と頭角を現し、1993年夏にメジャー初昇格を果たした。

 少年時代の夢を2つともかなえたオースマスは、メジャー昇格直後から4割近い盗塁阻止率で定位置を獲得。高い身体能力を生かして1番や2番を打ったと思えば、1995年には16盗塁して周囲を驚かせた(通算102盗塁)。

 1997年にはヒューストン・アストロズで盗塁阻止率49%を記録。打撃タイトルなどは獲得していないが、ゴールドグラブ賞を3度も受賞しており、守備面での評価は総じて高かった。

【次ページ】 木田、稼頭央、黒田とプレー。

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