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eスポーツで刻まれた巨大な一歩。
LoLの世界大会で日本代表が初勝利。
posted2018/10/28 11:00
text by
岡安学Manabu Okayasu
photograph by
Manabu Okayasu
10月1日より韓国で、eスポーツ界における世界最大級のイベントが行われている。
『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の世界大会「2018 World Championship(Worlds2018)」だ。Worldsは世界各国、地域のLoLのリーグ戦を勝ち抜いた24チームが出場する年に1度の大会である。
大会形式はプレイインステージ、グループステージ、ノックアウトステージと3段階に分かれ、11月3日の決勝戦まで1カ月以上かけて世界最強を決める一大eスポーツイベント。参加チーム数や期間を考えると、サッカーのワールドカップをイメージするとわかりやすいかもしれない。
LoLは5人1組のチーム戦で行われ、日本からはDatonatioN FocusMe(DFM)がリーグ・オブ・レジェンド ジャパンリーグ(LJL)を制し、Worldsへの出場権を手にした。
日本チームがWorldsに出場するのは今年で2回目だが、昨年は0勝4敗に終わり、世界の壁の高さを痛感する結果となった。DFMは、その雪辱を果たすべくチーム編成を強化し、国内リーグ戦からWorldsを見据えた戦いを展開し、万全の体制でWorlds2018に臨んだ。
DFMが出場するプレイインステージは、3チームのリーグ戦から始まる。同組となったのは、北米の名門Cloud9(C9)とブラジルのKaBuM!Esports(KBM)。この3チームで、プレーオフへの2枚の切符を争うことになった。
Worldsで手にした史上初の勝利。
世界大会ともなると試合会場も壮観で、ソウルのチョンガク駅から程近いLoLパークは、今年9月にオープンしたばかりのLoL専用アリーナを含む複合施設。アリーナは最大500名の観覧が可能で、最新の設備を整えている。
そして初戦のKBM戦、DFMは劣勢から終盤の追い上げで逆転勝利を収め、日本にWorldsでの初勝利をもたらした。この勝利は日本のLoL界にとっては歴史的快挙だった。
その後も日本チームは実力を発揮して、格上と思われた相手に拮抗した試合を見せたが、グループリーグの全4戦が終わった時点で1勝3敗。しかし、C9が全勝したことによりKBMと勝敗数が並び、タイブレーク戦に突入した。この直接対決に勝利し、見事プレーオフへの進出を決めた。
初日の勝利だけでも快挙だったが、プレーオフ進出を決めたことは、大げさに聞こえるかもしれないがサッカーで言えばジョホールバルの歓喜になぞらえることができるだろう。