酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
負けると観客が減るのはどの球団?
12球団の成績と観客数を調査する。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/10/13 17:30
即日完売が恒例になった広島カープのホームゲーム。増設しない限りは、現状を維持していくことが当面の目標になる。
負けるとお客さんが顕著に減るのは?
<日本ハム>
2014年勝率.518(3位) 平均2万6358人
2015年勝率.560(2位)108.1% 平均2万7221人 103.3%
2016年勝率.621(1位)110.9% 平均2万9281人 107.6%
2017年勝率.420(5位) 67.6% 平均2万8978人 99.0%
2018年勝率.522(3位)124.3% 平均2万7842人 96.1%
2014→2018観客数増減105.6%
北海道に移転して14年、新しいファン層を開拓してきたが、最近の日ハムファンは「弱いときには見に行かない」がはっきりしている。2017年の平均観客は前年より3.9%マイナス。大谷翔平のMLB移籍が響いている可能性もあるだろう。
<オリックス>
2014年勝率.563(2位) 平均2万3663人
2015年勝率.433(5位) 76.9% 平均2万4890人 105.2%
2016年勝率.407(6位) 94.0% 平均2万4923人 100.1%
2017年勝率.444(4位)109.1% 平均2万2658人 90.9%
2018年勝率.471(4位)106.1% 平均2万2575人 99.6%
2014→2018観客数増減95.4%
オリックスは人気チーム阪神がある関西で、積極的にマーケティングを展開してきた。イベントや特典の数は多い。
しかし、1996年を最後に優勝から遠ざかっている。12球団のうちで唯一、1度もCSのファイナルステージに出たことがないチームでもある。
2014年は久々に2位になり、以後2年、観客数は増加したがここ2年は減少。パでは5年前と比べて観客動員が減っている唯一のチームだ。
今のオリックスに必要なのは、マーケティングよりも「勝つこと」なのではないか。
<ロッテ>
2014年勝率.465(4位) 平均1万6999人
2015年勝率.514(3位)110.5% 平均1万8620人 109.5%
2016年勝率.514(3位)100.0% 平均2万1207人 113.9%
2017年勝率.383(6位) 74.5% 平均2万0425人 96.3%
2018年勝率.431(5位)112.5% 平均2万3194人 113.6%
2014→2018観客数増減136.4%
「千葉に移転した当時は、幕張の駅前でタダ券を配っても受け取ってもらえなかった」と往時の球団関係者から聞いたことがある。球団のたゆまぬ努力もあって、ロッテには12球団一熱いといわれる応援団が育った。しかし2017年の惨敗の前に、客足は遠のいた。井口新監督になってお客は戻ったが、ファンは「せめて善戦はしてくれよな」と思っているようだ。
<楽天>
2014年勝率.444(6位) 平均2万0142人
2015年勝率.407(6位) 91.7% 平均2万1467人 106.6%
2016年勝率.443(5位)108.8% 平均2万2513人 104.9%
2017年勝率.550(3位)124.2% 平均2万4931人 110.7%
2018年勝率.410(6位) 74.5% 平均2万3972人 96.1%
2014→2018観客数増減118.9%
12球団一若いチーム。本拠地楽天生命パーク宮城は増設を続け、定員は増えている。それもあって観客数は増えてきた。昨年は久々にCSに出場し、観客数も二けたの伸びだった。しかし開幕から下位に低迷した今年は減少。そろそろ「チームの勝敗を気にするファンが育ってきた」とみるべきではないか。