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30回目の鈴鹿はひと味違った!
今年のF1日本GPは観客増、若者増。
posted2018/10/08 13:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Hiroshi Kaneko
「30回の開催を記念して、数多くの取り組みを準備して迎えた今年のグランプリには、昨年を大きく上回るお客様にご来場いただきました」
鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの山下晋社長は、鈴鹿で開催された30回目の日本GPに詰め掛けたファンに感謝した。
日本GPはここ数年、入場者数が減少していた。初めて鈴鹿で開催された1987年のF1は11万2000人が集まった。その後、観客はホンダの活躍やアイルトン・セナというヒーローの活躍によって増え続け、2006年に16万1000人というピークを迎えた。
その後、いったん日本GPは富士スピードウェイに移転して行われたこともあり、鈴鹿で再開された'09年には大きく減少したが、それでも日曜日には10万人以上の観客がスタンドを埋めた。
転機となったのは、日本人ドライバーがいなくなった'13年だ。
鈴鹿サーキットが凝らした趣向とは?
この年の日本GPは10万人を大きく割り込み、日曜日の入場者数は8万6000人にとどまった。
9万人に届かなかったのは、開催以来、初めてのことだった。
翌年7万2000人に減少した入場者数は、ホンダが復帰した'15年にいったんは8万1000人と前年を上回ったが、'16年には再び減少。昨年はついに7万人を切って、6万8000人となった。
危機感を募らせた鈴鹿サーキットは、'87年から数えて30回目の開催となる今年の日本GPに向けて、さまざまな趣向を凝らし、ひとりでも多くのファンに目を向けてもらえるよう努力した。