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サンチャゴ・アロヤベの勇気と情熱。
障害を乗り越えプロのサッカー選手へ。

posted2018/10/02 07:00

 
サンチャゴ・アロヤベの勇気と情熱。障害を乗り越えプロのサッカー選手へ。<Number Web> photograph by DR

プロサッカー選手になる……という夢を粘り強く、絶対に諦めず追いかけたサンチャゴ・アロヤベ。ハンディキャプと偏見を乗り越えて、夢を実現したのだ。

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ロムアルド・ガデベク

ロムアルド・ガデベクRomuald Gadegbeku

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『フランス・フットボール』誌9月11日発売号は、片腕のサッカー選手サンチャゴ・アロヤベを取り上げている。生まれながらにして身体的なハンディキャップを背負った19歳の青年は、ネガティブな感情に囚われることなく、自らの状況を客観視しながらプロへの道を歩もうとしている。

 どうしてそんなことが可能なのか。なぜ彼は、いつも明るく笑っていられるのか。ロムアルド・ガデベク記者がレポートする。

監修:田村修一

コロンビア1部リーグのひとりの青年。

 この5月に青年はひとつの夢を実現した。育成されたクラブであるイタグイ・レオネス(コロンビア1部リーグ)から、カップ戦出場を果たしたのだった。その青年、サンチャゴ・アロヤベが辿った道のりは、そのまま人生の教訓になりうる。片腕で生まれた青年が、勇気と才能、そして強い情熱を持って生き抜いたのだから。

 その5分間はまるで永遠に続く至福の瞬間のようだった。5月3日、サンチャゴ・アロヤベは、コロンビアカップのデポルティボ・ペレイラ戦に途中出場し、公式戦初出場を果たした。いかにも10代らしい、痩身(170㎝、57㎏)のアロヤベは、目を輝かせながらこう語った。

「本当に驚いた。だって0対1で負けていて、残り時間は5分しかなかったから。ウォームアップを続けていたら、ベンチのみんなが僕を呼んでいる。『サンティ(アロヤベの愛称)、君が入るんだ!』と大声で叫んでいた。信じられなかった。どうして監督が、負けているときに僕を投入しようとするのか」

 彼はチームの敗北を覆すことはできなかった。だが、それでも彼の出場は大きな衝撃だった。

【次ページ】 障害はプロ選手への道の邪魔にならない。

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