【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
たびたび出るCS不要論に物申す!
ファンの愛を増幅させる装置なのだ。
posted2018/09/30 09:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
Kyodo News
広島東洋カープがセ・リーグ3連覇を達成しましたが、その裏で恒例行事のごとく「CS不要論」が巻き起こっています。特にセ・リーグの場合はシーズンを通じて負け越したチームが日本シリーズに進む可能性、ひいては日本一になる可能性があり、「そんなものはけしからん」という意見です。
たしかに私もベイスターズ時代に、年間144試合戦って勝ち取るリーグ優勝が最も価値のある称号だということを実感しました。リーグ優勝という称号を得た上で、その上にさらに日本一の称号も獲得することがとても重要で意味あること、大変なことだということを目の当たりにしました。
CSのホーム球場が漂わせる熱狂。
ただ個人的にはCSという制度、仕組みはおもしろいものだと思っています。リーグ優勝決定後の消化試合を減らして、プロ野球を最後まで盛り上げる興行としての意味合いでももちろんそうです。
2位と3位が実戦感覚をしっかり保ったままの状態でポストシーズンを戦えて、1位は間が空いてしまう構造上の問題点はありますが、CSの“ホーム感”って、本当にすごい。
私もCSを戦うために広島に行ったことがありますが、着いた瞬間そこにいる人たちはみんな広島東洋カープ、要するに“敵”です。横浜の人間だとバレたらまずいんじゃないか!? と肩身が狭く感じたものでした。
また、球場のビジター側の応援席がカープファンに買い占められた件もありましたが、それも見方を変えれば「万全のホームで戦わせたい」一種のチーム愛ということ。それだけの熱気を持って応援してくれる中で試合できるというのは、それだけでも十分なアドバンテージとなるでしょう。