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スペースを自在に操るアスパスは
リーガ最強の国産ストライカー。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2018/09/28 10:30

スペースを自在に操るアスパスはリーガ最強の国産ストライカー。<Number Web> photograph by Getty Images

ロシアW杯メンバーにも選ばれたイアゴ・アスパス。今後のスペインの得点源としても期待がかかる。

自分が使わなかったスペースを。

「スペイン代表の攻撃時は相手陣内が人だらけになる。両SBと中盤の1人が上がり、左右のFWが中に入ってくる。そんな状況でパスを受けようと思ったら、まずは待つことだ。立ち止まっていることが最高の動きになる場合もある。そうすると、自分が使わなかったスペースを仲間が使い、相手のCBが釣られて動き、突くべき穴が見えてくる。瞬間的な判断が必要だから簡単じゃないけどね」

 9月9日に行われたUEFAネーションズリーグのイングランド戦では、アスパスのそんなうまさが改めて確認された。

 スペインの1点目は、相手ゴール前にポジションを取っていたアスパスの、さりげない移動で生じたスペースにロドリゴがパスを出し、反応したサウールが決めている。

ルイス・エンリケの信頼も獲得。

 アスパスは、ちょっとした幸運によりこの試合に出場できた。

 というのも、8月31日に発表されたメンバーリストに彼の名前はなかった。代表新監督のルイス・エンリケが初陣のFW枠に選んだのはジエゴ・コスタ、モラタ、スソ、イスコ、アセンシオ、ロドリゴの6人だった。

 だが、夫人の出産を控えたジエゴ・コスタがチームを離れることになったため、そこにアスパスが加わることになったのである。

 文句なしの活躍を見せ、試合後の記者会見で当初のメンバー選考が正しくなかったことをルイス・エンリケに認めさせたアスパスは、今後しばらくは、スペインを代表するFWの1人であり続けるだろう。

 遡ること2カ月、ロシアW杯での早期敗退を踏まえたルイス・エンリケは自分が率いることになったチームの未来を次のように予測している。

「サッカーで一番難しいのは攻撃の最終段階。つまり、カウンターを狙う敵が自陣ゴール前まで引いて待ち構えているときにスペースを作り出すことだ。W杯のスペインはそこで苦しんだし、これからも同じような状況に対応していかなければならないと思う」

【次ページ】 セルタの中でさらに得点量産を。

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