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ポルトガルの次世代に世界が騒然。
130億円の19歳が引っ張る若返り。
text by
杉山孝Takashi Sugiyama
photograph byUniphoto press
posted2018/09/24 11:30
ハメス・ロドリゲスとCLの舞台でマッチアップしたゲドソン・フェルナンデス。将来のヤングスター候補だ。
大物代理人メンデスも注目。
違約金は、その当時ですでに6000万ユーロに設定されていたという。ならば今回、クラブがその額を倍に設定しようとするのもうなずける。実際に、今夏はプレミア行きが目前に迫っていたようだ。
9月19日、ホームにバイエルンを迎えた今季のCLグループリーグ初戦で、G・フェルナンデスは先発出場を果たした。自身が指摘する戦術面の問題か、あるいは相手と本戦の雰囲気に気圧されたのか、CL予選での勢いのよさは鳴りを潜め、ボールもなかなか回ってこなかった。
ボールを持てば懐の深いキープでタメを作ってはいたものの、強気な縦パスを打ち込めず、横パスをさらわれる場面があったのは、ドイツ王者とCLの洗礼を受けたというところだろうか。
J・フェリックスはCLメンバーには入らなかったが、先月末にはG・フェルナンデスより先にリーグ初ゴールを決めている。宿敵スポルティング相手の交代出場からの同点ゴールなのだから、好印象は3倍増しだ。
かつてはアンヘル・ディマリアのレアル・マドリー行き、近年ではエデルソンのマンチェスター・シティ移籍など、ベンフィカに大金をもたらした大物代理人ジョルジュ・メンデスが目をつけているというのだから、将来性の大きさがうかがえる。
2人が仰ぎ見るR・サンチェス。
そのバイエルン戦のピッチ上には、2人が仰ぎ見る輝きがあった。
アカデミーの先輩で、2年前に19歳でバイエルンに買われていったレナト・サンチェスだ。
3500万ユーロの移籍金に見合う活躍はまだなく、スウォンジーから復帰した今季、ここまで出場はなかった。迎えたCLベンフィカ戦は崖っぷちでのテストとも言える、古巣相手の大事な今季初戦だったが、そこで“一発回答”を示してみせた。
ヨシュア・キミッヒの自陣ゴールライン上での見事なキープを発端とする54分の速攻を、長いドリブルで間をつなぎつつ、最後はクロスを蹴り込んで締めくくったのだ。