プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
悪者チャンピオンとダヴィデ=アポロ。
棚橋弘至とミケランジェロ、肉体の夢。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/09/19 11:30
ミケランジェロの石像とはり合うように己の筋肉美を見せつける棚橋弘至。
主演映画『パパはわるものチャンピオン』
棚橋が主演した映画『パパはわるものチャンピオン』(藤村享平監督)の劇場公開が9月21日に迫っているが、同時に来年、1月4日、東京ドームでのメインイベント、IWGPヘビー級王座へ「挑戦権利証の防衛戦」も近づいてきた。
9月23日には、神戸ワールド記念ホールで、いまだに方向性が見えないオカダ・カズチカとこの権利証の防衛戦が待っている。
「この権利証の露出の機会が増える」という棚橋の言葉を素直に受け止めるならば、さらに2度以上の権利証の防衛戦があるということなのか。
そうだとすれば、棚橋は選択しなくてもいいはずの過酷な戦いをあえて選んで自らに課すことになる。
もちろん、オカダ戦が終わってみなければ、すべては仮定の話なのだろうけれど、あれほど東京ドームのメインイベントに固執してきた男が、「権利証の露出を増やす」と公言して、G1クライマックス優勝でせっかく手に入れたチャンスを自ら消失の危機に追い込んでいる印象だ。
これはおそらく棚橋流のドーム・キャンペーンなのだろうが……すべてが棚橋の思い通りにうまく運ぶのだろうか。