マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
甲子園からU18への移行の難しさ。
不出場組を呼ぶ手もあったのでは?
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2018/09/12 07:00
甲子園を戦った選手たちが、U18として国際大会に挑む。そのモチベーションの難しさはもう少し意識されてもいいはずだ。
甲子園とはまったく違う姿だった選手たち。
韓国に敗れてしまった、さあたいへんだ。なんとかしろ、なんとかしなくっちゃ……。
そういう場面で、何かしなくては、行動を起こさなくては、と考えるのが、勤勉なる日本人の国民性のようだが、果たしてそれは本当に有効だろうか。
何かすることがむしろマイナスになったりすることもあるんじゃないのか。場合によっては、何もしないのも「手」なのではないか。
痛んでいるときは、休むことが前に進むことだ。
そして、元気な者たちの“隠し持った力”を信じることも、手なのではないか。
吉田投手の目力の弱さ、小園選手のありえない4失策、蛭間選手のすっぽ抜けのバックホーム……。「甲子園」と何も変わらないで見えたのは、根尾昂だけだった。
その後の、台湾、中国との2試合。あまりに想定外のそんな場面を目の当たりにしながら、ツラツラとそのようなことを考えていた。