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今やJRAを背負う名手ルメール。
アマから始まり日本で成功の軌跡。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2018/08/31 17:00
2度目の優勝を狙う武豊、ミルコ・デムーロをおさえ優勝したクリストフ・ルメール騎手。
外国人初のJRAリーディングに。
プロとしてデビューした彼は年々その成績を伸ばした。勝ち鞍だけでなく、大レースでの実績も枚挙にいとまがなかった。凱旋門賞こそまだ勝てていないものの、フランスでは凱旋門賞に次いで人気のあるディアヌ賞(フランス版オークス)を実に3勝(2005年ディヴァインプロポーションズ、2009年スタセリタ、2010年サラフィナ)するなど大成功を収める。
2002年からは短期免許で日本での騎乗を開始すると、こちらでも度々大仕事をやってのける。2005年にはハーツクライで有馬記念を勝利。無敗の三冠馬ディープインパクトに初めて土をつける華麗な騎乗を披露したのを始め、来日時の彼は競馬ファンにとって目の離せない存在となった。
2015年にはついにJRAの通年免許を取得した。日本に居を構え3年目となった昨年は200勝に王手をかける199勝を挙げ、自身初となるリーディングの座についてみせた。これは外国人として史上初めてとなるJRAのリーディング獲得という偉業でもあった。
当然、今回のWASJに彼はJRAの代表として参加した。個人総合優勝を決めると共に団体戦におけるJRAチームの優勝にも大きく貢献してみせたわけだ。
ユタカさんは上手いしミルコも。
そんな名ジョッキーの彼だが、初日の第2レースに勝った時点では満面の笑みを見せながら次のように語っていた。
「WASJのレースで勝ったのはこれが初めてです。とても嬉しいです」
これだけでも喜んでいたが、結果的にはもう1勝を加算して総合優勝にも輝いたのだから、相当嬉しかった事だろう。レース後に彼に話を聞くと、目尻を下げて言った。
「はい! ホントに嬉しいです。ユタカさんは上手いし、ミルコ(デムーロ騎手)の集中力も凄い。外国から来た皆もとても上手でした。そんな中で優勝出来ました。だからすごく嬉しいです!!」
そう言うと今回は良い馬に乗れたのもラッキーでした、と続けた。