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ルメールが1000万下でガッツポーズ。
WASJは騎手にとって重要な大会だ。
posted2018/08/27 13:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
世界中の名騎手が腕を競う「2018ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が、8月25日(土)と26日(日)、札幌競馬場で行われた。前身のワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)から名称を変え、夏の札幌で開催されるようになってから今年で4年目。北海道マラソンと同時期に行われる夏競馬のビッグイベントとしてすっかり定着した。
WASJに参戦するのはJRA選抜7名とWAS選抜7名。WAS選抜のうちひとりは、予選を勝ち抜いた地方競馬代表騎手である。
WASJ自体は、25日と26日に2戦ずつの計4戦なのだが、海外からの招待騎手は、ほかのレースにも出場することが多い。なので、この週末の札幌競馬場は、ジャパンカップデーの東京競馬場にも負けないほど国際色が豊かになる。
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なかでもひときわ目立ったのは、第1回WSJSが行われた2015年8月29日と30日の土日に7勝、翌'16年のWSJSウィークに8勝、'17年は5勝と、毎年夏の札幌で驚異的な成績をおさめている、ブラジル(昨年までは香港代表として参戦)の“マジックマン”ジョアン・モレイラだ。
今年も、初日の25日に第3、5、6、9レースを勝ち、第10レースのWASJ第1戦を迎えた。そこは武豊が6番人気のアイファープリティで差し切り、JRA通算3990勝目を挙げて意地を見せた。
メインの第11レース、WASJ第2戦もJRA選抜のクリストフ・ルメールが勝ち、ここで6着となった武が、ポイントで首位となって初日を終えた。
JRAへの移籍を目指すモレイラ。
と思ったら、つづく第12レースをモレイラが勝ち、この日だけで5勝。
既報のとおり、モレイラは、この秋、JRAの通年騎手免許試験を受験する意向を示している。
勝って検量を済ませてから口取り撮影に向かうときは「ありがとうございます」と笑顔を見せ、戻ってきたら「ごめんなさい、ごめんなさい」と、声だけ聞くと日本人かと思う言い方で報道陣をかきわけ、検量室へと入って行く。
合格したら「JRAの外国人騎手」という同じ立場になるルメールやミルコ・デムーロと積極的にコミュニケーションをとろうとしているあたりも、これまでの来日時とは明らかに違う。今後は家族とともに日本に滞在して受験勉強をしながら、9月25日にシンガポールで開催されるインターナショナルジョッキーズチャレンジに出場し、その後、短期免許で日本で騎乗する予定だという。