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企業名なし日野のラグビー&地域愛。
初めて尽くしのトップリーグ挑戦。
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byMasataka Tara
posted2018/08/30 07:00
ひのレッドバルに参加した選手たち。左からニリ・ラトゥ、村田毅、廣川三鶴、リチャード・スケルトン、古川浩太郎、庄司壽之。
バーで村田主将らと触れ合える!
ワインバー『H.P.STYLE Kitchen』の高田代表は、一般社団法人日野青年会議所のメンバーだ。飲食店経営者のコミュニティなどにも参加している高田代表は、村田のアプローチを歓迎した。
「『スポーツ選手の中に、そういう志のある人がいるんだ』と驚きました。地域のことを考えてくれていた。それから実際に動きました」
村田の大胆な行動がひとつのキッカケとなり、チームと地域飲食店の距離が縮まった。
8月23日には、チームと地元飲食店のコラボ第1弾となる街企画「ひのレッドバル」を開催。6枚綴り食券チケットを使い、日野駅周辺の17店舗から好きな店を選んで楽しむスタイルだった。
各店舗の店員は、「初陣」のバックプリントが目立つ応援Tシャツを着るなどして盛り上げ、村田主将ら選手約20人は数組に分かれ、参加店舗を訪問。自己紹介や乾杯をするなどし、ファンらと交流を深めた。
ただシビアな声があるのも事実。
企画参加店舗のひとつ、日野駅前のバーに、村田主将らとの談笑を楽しんでいる男女2人組がいた。
ともに日野市在住の会社員で、ラグビー観戦は日野のトップリーグ開幕戦が人生初になるという。8月31日、町田市立野津田公園陸上競技場(東京)で行われる宗像サニックス戦だ。
「日野にスポーツチームがあるなんて、素晴らしいじゃないですか」
だから応援するのだと男性の方は好意的に答えたが、女性の方はシビアだった。
電車内で見かけたラグビー選手の大きさに驚いた経験から、ラグビーの試合に興味を抱いていたという女性。これからも日野を応援しますか? との質問に、「それは分かりません」と答えた。
「まだ『あの大きい人たちがぶつかったら、どうなるんだろう?』っていう興味だけで。これからのことは分からないです」